Interview1 End meets Start T
「世界に散らばる私の子どもたちよ」
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
のような赤い筋が白い面を縦に両断している。
骨は全てが金属のアームに置き換わった。皮膚が消えて上半身の骨格は剥き出しだ。特に両腕はもう肉の原型を留めていない。ただ工事重機のアームが地面近くまで垂れ下がるのみだ。胴体はもはや人工臓器らしきものが露出していて直視に堪えない。
視覚的に救いなのは、背中は頭から尻まで甲殻に覆われて、向こう側を見通さずにすむ点か。
髪の一房一房もコードに置き換わり、尖端に水晶刃を備えた武器となった。特に太いのが、頭から細いコードを束ねた円柱、繋ぎらしき円筒、工事用もかくやというウィンチと、三つ指にも似た捕獲アーム―― 一連のポニーテールだ。
足は消えた。代わりに、甲殻と同じ素材の2本足で、しかも右足と左足でデザインが異なる。
どう言い繕おうと、バケモノ、だ。
「………………………………イリス、なのか?」
ソレに問いかける。
ペルソナの口角が上がり、笑みが形作られる。ペルソナには表情機能があるらしい。
「イリスよ。コレがイリスの精霊態。蝕の精霊イリスの本性」
答えた声はまぎれもなくイリスのものだ。コレはイリスなのだ。
「ふん。貴様など精霊を名乗るもおこがましい。世界を蝕む邪霊よ」
頭上からクロノスが吐き捨てた。第三者のルドガーでさえむかつく気分にさせる声音と台詞だ。
「イリスからすれば、お前たち精霊こそ邪霊の名を冠すべきね。大自然を支配する権能を盾に取り、人類を管理下に置く傲慢なモノども」
コードと化したイリスの髪が広がり、尖端を精霊軍団に向けた。精霊軍団もまた、再び属性に応じた一撃を撓めている。
精霊軍団の攻撃が生み出す惨状は目の前にある通りだ。そこに同じ精霊らしきイリスの力がぶつかり合えばどうなるのか――
じり、とルドガーの足は意思と無関係に下がっていた。
「大丈夫。貴方には傷一つ付けさせない」
全属性の砲撃と、イリスが掌から発したエネルギーが激突した。
ひどい眩しさに、ルドガーは腕で目を庇った。
踏み止まっていられない。足が地面から浮いた。
吹き飛ばされた。その後は覚えていない。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ