第六章 正義の在り処編
第百九十三話 『武だけを鍛えた男。そして暗殺者』
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言霊を唱える。
「―――鶴翼、欠落ヲ不ラズ」
干将・莫耶をあらぬ方向へと放り投げて再度干将・莫耶を投影してウィルソンに切りかかる。
それに初めて見る先方にウィルソンは眉を顰める。
だが士郎の猛攻は止められない。
「―――心技、泰山ニ至リ」
ウィルソンの拳で弾かれた干将をすぐに破棄して莫耶もまた空へと投げる。
「―――心技、黄河ヲ渡ル」
再度干将・莫耶を投影。
さすがにこう何度も武器を放棄するのにウィルソンも困惑の目を浮かべる。
「―――唯名、別天ニ納メ」
そこでウィルソンの危機察知能力が危険を示す。
そしてふと気づく。
なにかが自分に迫ってきていると。
それで横目で見てみると左右あちこちから今までウィルソンが弾いた干将・莫耶がすべて向かってきているのだ。
さらには士郎の持つ干将・莫耶が一メートル以上に巨大化してギザギザな刃を突き出す。
これこそ士郎自身の秘奥義、『干将・莫耶オーバーエッジ』、そして『鶴翼三連』。
「まさかこれ狙いか!?」
「気づいたか。だが、遅い!―――両雄、共ニ命ヲ別ツ……!」
一気にウィルソンに干将・莫耶オーバーエッジを振り下ろす。
なんとかウィルソンは両手の鉄甲で防ごうとする、だが勢いは止まらなくこのままならウィルソンは士郎の刃に切り裂かれるだろう。
しかし士郎は殺してはならないと咄嗟に剣の刃を平らにして切り裂くのではなく叩きつけた。
これによって腕を切り裂かれる代わりにウィルソンは地面に叩きつけられていた。
「がっ! 無念。ジグルド提督、すみません……うっ………」
そしてウィルソンはあまりの衝撃に無念の言葉を吐きながらも気を失ってしまった。
戦いは終わった。それで周りに散らばっていたウィルソンを襲うはずの干将・莫耶の群もそれに呼応して消え去った。
「ふぅ………この技はある意味初見ゆえの必殺なのだがな。私も手加減するようになったな」
そう士郎はごちる。
こうしてウィルソンは捕縛されて敵の指揮は崩壊だろうと思った時だった。
「八神二等空尉!」
「どうした………?」
一人の魔導師が血相を変えて話しかけてくる。
士郎は嫌な予感がしてすぐに事情を聴く。
すると予想もしないことを言われた。
「………その、なんと申してよいものか。残存していた敵魔導師はすべて撤退。不自然な撤退でおかしく思い、施設の警備に連絡を取ってみたところ………」
「なにがあったんだ?」
「はっ………それが突如として骸骨のような仮面をつけた集団に襲われたらしく的確に最高評議
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