第六章 正義の在り処編
第百九十三話 『武だけを鍛えた男。そして暗殺者』
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もですね、魔導の才能がなかった。そして世界に新たに魔術という第二の力が出てきたことにより私にもチャンスはあるかもしれないと、そう思った。しかし、私には魔術回路は宿らなかった………ですから二流でもリンカーコアも魔術回路も両方備えているあなた方には嫉妬の感情を覚えるばかりです」
「なんだ………? 不幸自慢でもしたいのか? 今はそんなことをしているほどお互い暇ではなかろう?」
ウィルソンの自虐発言に士郎は付き合ってられんとばかりに突き放す。
それにウィルソンは「確かに」と笑みを浮かべる。
そして拳を構えて、
「だが、八神士郎二等空尉。あなたが言ったように私もこの拳だけを今までずっと鍛えてきた。
そしてジグルド提督はそんな私の努力を認めてくれた。そんなあの人だからこそ私はいままでずっと着いてきたのです。
その努力の成果を、あなたに体験してほしい、味わってほしい」
「なるほど………。自身の居場所だけは明確なのだな。いいだろう。………ラン、レン」
「は、はい!」
「なんでしょうか?」
「こいつは私が片を付ける。お前たちは引き続きキリングドールの殲滅を頼む」
「わかりました!」
「了解です。士郎さんもお気をつけて!」
それでランとレンの二人は戦場に戻っていった。
そして士郎とウィルソンの二人は対峙する。
「さて、では始めるとするか。お互い才能なし同士。なに、簡単なことだ。実力を見せつければよいのだからな」
「同意ですね。では、いざ………」
「ああ。いくぞ?」
同時に二人は駆け出した。
士郎はブレイドテミス・ソードフォームの双剣を。
ウィルソンはただひたすらに両の拳を構えて疾駆する。
「はぁ!」
ウィルソンが拳を振るうと士郎は右手の剣で受け止め左手の剣でがら空きの胴に切りつける。
しかしさすが魔導が基本の世界で武だけを鍛えてきたウィルソン。
剣を拳で弾き飛ばす。
しかし、士郎とてこのような手合いや実戦は過去に幾度も行ってきた。
そして今でこそたくさんの自身より上位者の能力を保持する者たちが機動六課にはゴロゴロしているために料理人であるが暇なときはよくオリヴィエやアルトリア、ランサーとは何度も模擬戦をやってきてさらなる練度の向上を目指してきた。
そのおかげでさすがに本気のサーヴァントとの戦いでは負けてしまうが、試合レベルでならシホともどもいいところまで喰いつけるまで成長したのだ。
だからここで負けるわけにはいかない。
英霊エミヤにも勝った………ライゼルにも自身の正義を示して勝利した。
ゆえにこんなところで負けてやるほど士郎は甘くないのだ。
そして、だからこそウィルソンの実力に敬意を評し本気で倒すことを決めた。
ブレイドテミスを待機モードに戻し一瞬で干将・莫耶を投影する。
そしてある
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