第六章 正義の在り処編
第百九十三話 『武だけを鍛えた男。そして暗殺者』
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な氷の刃が発生して次々と斜線上にいたキリングドールを切り裂いていく。
まさにアインへリアルを切り裂いた時同様の威力を発揮しているのだ。
大斬氷閃が通り過ぎた後には余波で地面が凍り付いていくというおまけつきであり、殲滅戦では最大の効果を発揮することは請け合いである。
それをランのそばでアウルヴァンディルを構えて反撃の時を予期して待機しているレンはというと、
「すごいなぁ、ラン姉さん………。もう使いこなせるようになったんだね」
「もちのロンよ! ブイ!」
レンの褒め言葉にブイサインをして答えるラン。
そんなときであった。
レンはふとした時に殺気のような視線を感じてとっさにアウルヴァンディルを前方に構える。
次の瞬間には目の前に一人の男性が現れてアウルヴァンディルのシールドに拳を叩き込んでいた。
「うわっ!?」
レンはそのあまりの強烈な拳の衝撃を殺しきれずに後方へと吹き飛ばされてしまっていた。
「レンッ!?」
ランがすぐさまにレンに駆け寄り抱き起した後に拳を放った男性を見る。
その男性は冷酷な視線を向けてきているために二人はビクッ!となる。
その男性とはブリューナク隊のジグルドの参謀であるウィルソン・ターナーであった。
「あ、あなたは!」
「………私はウィルソン・ターナー。ジグルド提督の参謀を務めています。あなた方には消えてもらいます」
そう言いウィルソンは鉄甲が装着されている拳を構えた。
そして一気にランとレンに詰めよろうとして、
「ラン! レン!」
ギンッ!
迫ってきていた拳をとっさのところで士郎のブレイドテミスによって防がれていた。
「間に合ったか………」
「士郎さん!」
「助かりました! でも、キリングドールの迎撃は!?」
「今はキャスターがなんとか頑張っているので大丈夫だ。それより………」
二人に安心感を感じさせる笑みを浮かべた後に士郎はウィルソンに鋭い目を向けると、
「お前がジグルド提督の参謀というのは聞こえていた。ならばお前を倒せば少なくとも戦力低下は免れないという事だな?」
「ふっ、確かにその通りでしょう。ですがそう簡単にはやられませんよ? 八神士郎二等空尉」
「ほう………。私のことを知っていたか」
「もちろん。ジグルド提督から伺っておりましたからね。あなたも私と同じく武の才能がないという事もね」
「む………」
それを聞いて士郎は眉を細める。
どこでその情報を入手したのかは知らないが、だからといって自身のことをそう簡単に語られるのも面白くない。
そう士郎は感じ、
「………確かに私には武の才能も魔術の才能もなかっただろうさ。だがな、努力し続けることを止めなかったから今の私があるのだ」
「ほう………それは羨ましい。私
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