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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第9話:酒は飲んでも飲まれるな
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眉を寄せ、私の言葉に疑問を投じる。
本当に解ってないのか? どうなってんだこの娘は!?

「だから……リュリュは可愛いから……男はみんな、不埒な事を考えてるんだよ」
「不埒……ってエロ?」
そうだった、この娘はリュカ様の血が流れてるんだった。
エロ事はストレートに表現する家柄だった。

「そうエロだ」
「つまり、私は皆さんから“優しくすればヤらせてくれる安い女”と思われてるんですか?」
ポピー様は非常に賢いし、仲の良い彼女も賢いと思ってたんだけど、どうやら買い被りだったみたいだ。

「違う。もっと下劣なんだよ……お前に酒を奢ってた男共は、お前を酔い潰して宿屋に連れ込む算段だったんだ。酔い潰れて抵抗できなくして犯すつもりだったんだ!」
「まぁ下品下劣! そんな鬼畜な考えで私に近付いてたんですか?」
美しい瞳を大きく見開き、先週奢りまくったスピーアに視線を向け尋ねるリュリュ。

「あ、いや……お、俺は……そんなつもりは……」
見るからに嘘を吐いてる体で答えるスピーア。
「嫌ですわぁ殿方って。やっぱりお父さんの様な紳士以外は、論外でございますねぇ」
目の前に置いてあった私のビールを勝手に飲みながら、周囲の男共に軽蔑の目を向けるリュリュ。

「もう飲むな!」
まだ二口しか飲んでなかった私のビールは、リュリュに全部飲み干され無くなる。
この娘は一気飲み以外知らんのか? 酒の味わい方を知らんのか!?

「兎も角、今日はもう帰れ。そして明日の朝一に陛下へ報告だ」
「えぇぇぇ! お父さんに言っちゃうの? 別に問題なかったんだから今回は良いんじゃないの?」
「そ、そうですよ閣下! 何も陛下に報告しなくても……」

「そうはいかないんだよスピーア。リュリュは王家の血を引く者だ……そんなお方に対し、不埒で不届きな思いで近付くなんて、臣下としてあってはならないのだよ!」
私は殊更思い口調で言い放つ……周囲の者にも聞こえる様に。

「陛下はご自身を含めお血筋の方々への接し方に煩く言わない。言い換えれば友達感覚で付き合いをしろと仰ってる。だがそれは、敬意を忘れて良い訳ではない。冗談を言い合い毒舌をぶつけても、酒に酔わせてレイプして良いと言ってる訳ではない!」
広い店内に私だけの声が響き渡る。誰も何も言わない……言えないでいる。

「はぁ……今日だけで何人居るんだ? これから軍部も忙しくなると言うのに、大勢居なくなるなぁ」
ここに居る者は皆、かなり反省してるみたいだったのだが、ちょっと苛めたくなってしまいました。
全員吐きそうな顔してる(笑)

「俺達……クビですかね……?」
顔面蒼白なスピーアが消えそうな声で問いかける。
「そ、そんな……いくら何でもクビにはならないわよね?」
原因の中心人物たるリュリュ
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