空白期 第20話 「ユーリとお出かけ その2」
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きたが、高町の声のトーンや表情からして怒っているわけではないだろう。おそらく反射的にツッコんでしまっただけだ。経験のないユーリに分かれというのは無理なことだろうが。
「……高町、気持ちは分かるけど怒鳴るなよ」
「あ……ご、ごめんねユーリちゃん。その怒ってるとかじゃなくて……」
「い、いえ……こちらこそすみません。シュテルやレヴィの言っていることを鵜呑みにして、お名前を間違って覚えてしまって」
「そ、そうなんだ。……レヴィちゃんはともかく、何であの子はわざとするのかな。似てない、絶対私とシュテルちゃんは似てない」
高町……心の声が漏れてるぞ。
まあ俺はシュテルへの感情は大いに分かるし、見た目に関しても髪型とか違うこともあって今のままなら他の人ほど似てるとは思わないけど。声もシュテルの方が低めというか落ち着きがあるし……でもあいつが意識して真似すれば分からなくなるだろうな。
「あっそうだ。ショウくんにユーリちゃん、もしよかったら一緒にどうかな? ショウくんともお話ししたいし、みんなにもユーリちゃんのこと紹介したいから」
「えっと……わたしは構いませんけど」
「別に俺もユーリがいいなら構わないよ。ところでユーリ」
「はい?」
「いつまで俺に隠れてるつもり?」
高町が怒ってないってのは分かったはずだから離れてくれてもいいと思うんだけど。この体勢のままだと周囲に誤解されかねないし……高町が。
「そ、それは……ショ、ショウさん守ってくれるって言ったじゃないですか」
「守るのと隠れるのは違うと思うけど?」
「ショウくん、そういうこと言っちゃダメ。ユーリちゃん、あまり気にしちゃダメだよ。ショウくんは時々いじわるになるから」
いじわる? まあそんな風に言われることもあるけど、高町に関しては受け取り方にも問題があると思うんだけどな。
「そうですよね」
「うん」
「あっでも、本当はとっても優しいんですよ。口ではなんだかんだ言ったりしますけど」
「それは……そうだね。もっと素直になればいいのにね」
「はい。だけど、意外とそこが可愛かったりするんですよ」
会って間もないのに会話が弾むものだ……って、そうか。このふたりって基本的に素直だし、天然なところがあるよな。性格が似てればこうなって当然といえば当然……ユーリ、初対面相手に何を言ってるんだ?
「あぁうん、それは分かるかも」
「でもやっぱり、何よりもカッコいいんです。今日も1日わたしの騎士になってくれてるんですよ」
「そうなんだ。じゃあショウくんにとってユーリちゃんは大切な人ってことだね」
「た、大切だなんて……えへへ、でもそうだったら嬉しいです」
「……あのさ、もうそのへんにして移動しない?」
これ以上、ふたりだけの空気で話し
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