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黒猫が撃つ!
二弾 再会する者、企む者、怒る者??
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俺は表情を曇らせたままのスヴェンに問いかけたがスヴェンは顔を俯かせて答えない。

「何、簡単なことですよ。
彼と取引をしていましてね。
貴方と話し合いの場を設けて、そこで貴方を説得する代わりに貴方のお仲間の命を救う。
そういう約束をしているのですよ」

「仲間?
お前ら、姫っちに何をしやがった??」

気がつけば俺は装飾銃(ハーディス)を抜いていた。
俺の殺気に警戒してか、周りの奴らも隠し持っていた銃を抜いて銃口を俺に向けてきた。

「やめろ!止めてくれ!
トレイン。お前も落ち着け!
ここで暴れたらイヴが……」

スヴェンが静止してくるが、周りの奴らは聞きそうにねえ。
それより、姫っちを人質に取られているのか。
なら、ここで暴れるわけにはいかねえか。
どうする。どうすれば切り抜けられる。

「姫っちに何しやがったんだ??」

「我々は何もしていませんよ。
ただ、彼女は現在、原因不明の病に侵されて入院しています。
聞けば彼女はナノマシンという未知の技術を操れる特殊な人物とのこと。
彼女をすぐに治療することは今の我々にはできません。
ですが……」

そこで一度、言葉を止めて俺のすぐ目の前に近寄ってきた。

「貴方が力を貸してくださればある組織を潰せます。
その組織のリーダーなら治療法に心当たりがある、かもしれません。
どうです。我々と同盟を結びませんか?」

「同盟?」

「ええ。我々(0課)や武偵局の人間とで編成する混合チームの一員として一緒に戦ってほしいのです。
準備に手間取ってまして、決行するのは夏の終わり頃を予定してますが殲滅チームの一員として力を貸していただけませんか?」

この申し出は受けるべきか。それとも断るべきか……。
脳内にふと、かつてクリードが根城にしていた星の使徒のアジトを攻めた時の記憶が浮かんだ。
あの時、確か掃除屋同士で同盟を結んだよな。
後から聞いた話じゃあ、あれは囮で本命は……。

「ああ、いいぜ!」

「トレイン??」

「ほう。これはさすがに予想外です。
……即決ですか」

さすがに即答したのは予想外だったせいか、かなり驚いている。

スヴェンが呆れ顔をしているのが気になるが今は気にしている場合じゃねえ。

「姫っちを助ける為だからな。
その代わり俺達も本隊の方に入れろよ、NO.X(シャオリー)??」

「ふっ……やっぱりバレてましたか」

ふっ、と微笑みを浮かべた影山は右手で自身の顔、頬を摘んで思いっきり引っ張った。
______ベリベリッ。
顔に付けた特殊メイクを剥いで中から出てきたのは俺の予想通り時の番人(クロノナンバーズ)の一人で『魔術師(マジシャン)』の異名を持つ、優男だった。


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