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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
13話 修羅の矜持
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の命令を無視し、避難を拒む現地住民の避難を優先した結果、国連軍前線指揮部がBETAの奇襲を受けた際にその避難に要した分の戦力不足で壊滅した。
結果、戦線は瓦解し多くの国連軍・難民が孤立しBETAの真っただ中で孤軍奮闘を強いられているのだ。
それは、『同じ日本人が招いた失態』だ。―――日本人の失態は同じ日本人が拭わねばならない。
故に、即座に96作戦に参加していた斯衛軍の生き残りを中核に編成された一個連隊が各地に分散展開し救出と対馬のバックアップにより戦線が立て直すまでの時間稼ぎを並行して行っているのだ。
『各員、恨み辛みは分かるが今は為すべきことを為せ。――仲間の死を無碍にするなよ!』
『『『『了解っ!!!』』』』
仲間への激励と共に弾が尽きた突撃砲を投げ捨て、兵装担架から長刀を抜き放つ。
『ふぅぅ……はぁぁ――――!』
呼吸を整え、体内で剣気を練り上げる。
―――己は刃だ、一振りの兇刃。
思考が冷たい鋼の如く冷え、冴えわたる。どうやって敵を切り裂くか、その為に
機体
(
からだ
)
をどう動かせばいいか、その障害となる敵の動き、可能な剣劇の軌跡………全てが見える。
電磁伸縮帯の緩衝張力?人間以上の可動域?
そんなどうでもいい物に意識を割く必要はない――――必要なのはどうすれば、最速で最大の斬撃を放てるか、其れだけだ。
『いぃッやあああああ―――――ッ!!!』
闇風が駆ける、漆黒の機体が地面を蹴ると同時に跳躍ユニットを噴射。砂塵の尾を引きながら長刀を携えて、一匹の修羅の如く、鬼神の如く。
その胸裏に一抹の、されど無限大数量の憤怒の熱量を秘めて。
「斯衛からは抗議しないと―――どういう事ですかッ!?」
大規模展開していた国連軍の戦力を温存しつつの防衛線の大幅引き下げ、光州作戦。
綾峰中将の命令無視に始まる国連軍司令部の壊滅、戦線崩壊と部隊の孤立と難民への被害―――結果として大損害を出したモノの、斯衛軍が急速展開しどうにか時間を稼いだことで大局的には作戦は成功した。
しかし、国連軍は無視できぬ被害に綾峰中将の身柄引き渡しを求め、帝国軍上層部はそれに反対しているのだという。
―――その元凶である綾峰中将の行動の結果、どれ程斯衛に流血があったのかがまるで無視されている、腹立たしい事この上ない。
「あの作戦で尻拭いをしたのは俺たちだ!!一体何人が―――死ななくても良いはずの衛士が何人死んだと思っているんですッ!?」
漆黒の軍装に身を筒んだ俺は山吹を纏う上官に詰め寄った。帝国軍との衝突を恐れた斯衛上層部は抗議すらしなかったのだ―――これでは丸で使い捨ての道具ではないかッ!!
「俺たち黒や白が何人死のうがどうだ
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