第六章 正義の在り処編
第百九十二話 『ファング隊…友達との戦い』
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っていた。
何度も剣戟の音が響き渡る。
「獅堂陸曹、貴様やるな!」
「お前こそな、シグナム!」
二人はお互いに褒めあっていた。
おそらく凰華もシグナムと同じく戦闘狂なのだろう。
案外なにもなければ気が合うのかもしれない。
「しかし、何度か打ち合ってみたからこそ分かる。獅堂陸曹、お前は私には勝てないという事が」
シグナムはこう言うが決して慢心から来る言葉なわけではない。
戦うのならば常に本気で戦う。
それこそベルカの騎士だ、と常日頃から言っているからだ。
だからこそ嘘はつかずに正直な気持ちで凰華の力量を見抜いてこの言葉が出たのだ。
それに対して凰華というと、
「はぁー………分かっちゃいたけどな。あたしにはそれほど剣の腕はないってな。でもな、あたしだってただやられるほどお人よしじゃないんだよな」
すると凰華の手の甲にある宝珠が光り輝く。
それにシグナムは「むっ」と声を上げる。
「あたしは剣士じゃない。本当は“召喚士”だ! いくぞ、来れ我が守護獣! 我が身を護る盾となり、我が眼前の敵を討ち倒す剣となれ! 天凰召喚!!」
「ビュオオオオーーーッ!!」
瞬間、凰華の足元に魔法陣が形成されてそこから三メートルはゆうに超えている紅い大型の鷹が姿を現す。
「獅堂陸曹、これがお前の力か?」
「いんや、まだだ! いくぜ、天凰! 憑依融合!!」
そしてまたしても天凰が光り輝き凰華と体を重ねていく。
「これは!? まさかユニゾンと同じ!?」
シグナムは性質が似ている経験をしているためにすぐに凰華の力を見抜いた。
光が晴れてそこにはもう天凰という鷹の姿はなかった。
代わりに凰華の背中には紅い翼が生えて手も鉤爪のように尖っていて刀は二本の小太刀へと変貌していた。
まさに憑依した姿がそこにはあったのだ。
「ふぅ………この憑依融合は時間制限もあるが召喚獣と召喚士の心が重なっていないとできない秘法なんだ。そんじゃ、いくぜ!」
「ッ!?」
シグナムは次の瞬間には目を見開く。
一瞬………そう、一瞬でシグナムの右肩を凰華は通り過ぎてすれ違い様に小太刀を振るっていたのだ。
シグナムの右肩からは血渋きが多少あがりシグナムは痛みから肩を押さえる。
「これは………早いな」
「そうさ! この形態ならかなりのスピードを出せる。次は、ただじゃおかないよ?」
「面白い! 真正面から叩っ斬る!」
シグナムは怯むどころか逆に楽しそうに笑みを浮かべて久しぶりに来る高揚感に身を任せて己もスピードの限界を駆使して凰華とぶつかり合うのであった。
◆◇―――――――――◇◆
「あちらはあちらで楽しそうだねぇ。なぁ、槍兵の嬢ちゃんよ
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