第3部 始祖の祈祷書
第2章 ルイズの恋煩い
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窓から差し込む月明かりだけが部屋を照らすと、途端に幻想的な雰囲気になった。
ウルキオラは本を読み続けている。
すると、もぞもぞとルイズがベッドの上から身を起こし、ウルキオラに声をかけた。
「ねえ、ウルキオラ」
「なんだ?」
返事をすると、しばしの間があった。
それから、言いにくそうにルイズが言った。
「その…ベッドで寝てもいいわよ」
ウルキオラは本から視線を外し、ルイズに言った。
「俺に睡眠は必要ないといったはずだが…」
「いいから、ほら!」
ウルキオラは本日二回目のルイズの言葉に、本日二度目の溜息をつき、ベッドの端の方で横になってねそっべた。
もちろん、本を持っている。
どういう心境の変化かわからなったウルキオラだが、再び本を読み始めた。
ルイズは、もぞもぞと動きながら、ウルキオラに尋ねた。
「あんたの世界の人間は、魔法使いはいるの?」
「いない。その代わりに科学が発達している」
「コルベール先生の…え〜と…エンジン?だっけ?あんなの?」
「ああ」
「月は一つしかないのよね?」
「ああ」
「へんなの」
ルイズが言った。
「俺から見たらこの世界の方がへんだ」
「そうよね…」
ルイズは落ち込んだように言った。
「あんた、伝説の使い魔なんでしょ?」
「そうらしいな」
ウルキオラは左手の甲を見て言った。
「それって、ほんとなのかしら」
「そうらしいな。記述通りの能力を手に入れている。武器を持てばそのあらゆる情報が頭に流れ込んでくる。破壊の剣…『斬月』というが、あれも使いこなせたしな」
ウルキオラはあることに気付いた。
黒崎一護がもっていたものとは、刃の黒と白が反転していたことに…。
そんなことを考えていると、ルイズが口を開いた。
「だったら、どうして私は魔法ができないの?あんたが伝説の使い魔なのに、どうして私はゼロのルイズなの?」
ウルキオラは少し考えた後、言った。
「俺が司る死の形を覚えているか?」
「虚無…だったわね…」
ルイズはそういった後、少しだんまりしていたが、しばらくしてがばっと起き上がり、大声で言った。
「ま、まさか!」
ルイズはものすごい剣幕でウルキオラを見つめた。
ウルキオラは本を読んでいる。
「推測にすぎんがな」
「そ、そんなわけないじゃない!」
「あの爆発の破壊力を見る限りでは、可能性がないわけではない」
ルイズは馬鹿にしているのかと思い、反論しようとしたが、ミセス・シュヴルーズの授業後にウルキオラが言っていたことを思い出した。
「制御することができれば、武器にな
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