第3部 始祖の祈祷書
第2章 ルイズの恋煩い
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たち、授業を休んでいったいどこに行ってたの?」
腕を組んでそう話しかけたのは香水のモンモランシーであった。
見ると、キュルケは優雅に化粧をしているし、タバサはじっと本を読んでいる。
タバサはペラペラと話すような性格ではないし、キュルケも何も知らないクラスメイトに自分たちの秘密の冒険を話すほど、口は軽くない、また、教室の後ろの壁に寄りかかっているウルキオラに聞く勇気もない。
クラスメイトたちは、押しても引いても自分のペースを崩さず、何も話さないタバサとキュルケに業を煮やし、ギーシュと新たに現れたルイズに矛先を向けた。
ギーシュは取り囲まれてちやほやされるのが大好きなので、調子に乗ったらしい。
きみたち、僕に聞きたいかね?僕が経験した秘密を知りたいかね?困ったうさぎちゃんだな!あっはっはっは!と呟くなり足を組み、人差し指を立てたので、一瞬でギーシュの後ろに移動したウルキオラに椅子をを蹴っ飛ばされた。
いきなり現れたウルキオラにクラスメイトは驚き、椅子から転げ落ちたギーシュは地面に手をつき、ウルキオラを睨んだ。
「なにをするんだね!」
「ギーシュ」
ウルキオラの冷徹な言葉にギーシュは顔を引きつかせた。
「な、なんだね」
「知っているか?」
ウルキオラはギーシュのそばに近づいて言った。
「だからなんだね!」
「口が軽い奴は、早死にするらしい」
ウルキオラの言葉にギーシュは黙ってしまった。
二人のそんな様子を見て、ますますクラスメイトたちは「何かある」と思ったらしい。
再びルイズを取り囲み、やいのやいのやり始めた。
しかし、ウルキオラの「黙れ」の一言でクラスメイトたちはだんまりしてしまった。
しばらくして、教室にミスタ・コルベールが入ってきたので、仕方なく皆席に着いた。
「さてと、皆さん」
コルベールは禿げ上がった頭を、ぽんと叩いた。
彼は昨日まで、土くれのフーケが脱獄した一件で、城下に裏切り者が!すわトリステインの一大事!と怯えていた。
が、今朝になってオスマンに呼び出され「とにかくもう大丈夫じゃ」と言われたので安心して、いつもののんきな彼に戻っていた。
もともと彼は政治や事件にはあまり興味がない。
興味があるのは、学問と歴史と……、研究である。
だから彼は授業が好きだった。
自分の研究の成果を、存分に開陳できるからである。
そして本日、彼は嬉しそうに、でんっ!と机の上に妙なものを置いた。
「それはなんですか?ミスタ・コルベール」
生徒の一人が質問した。
果たしてそれは、妙な物体であった。
長い、円筒状の金属の筒に、これまた金属のパイプが延びている。
パ
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