第Σ章 地球編 ??《ジアンユ》
第01話 投獄のセキレイ
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た。
「そら?そらって何だ?」
彼の問いを聞いて彼女は驚いた。
「えぇ!お空を知らないの?お空って言うのはね
この天井のずーーーっと向こうにある水色の天井の事だよ!
しかも、お空は天井と違って触れないんだよ?」
995号はそれを聞いて、目をキラキラと子供のように輝かせていた。
「触れない‥‥‥‥‥‥水色の天井‥‥‥‥‥‥空‥‥‥‥か」
ハトは995号の前に鳥の図鑑を開いて置いた。
見開きをを見た995号の目はさらに輝いていた。
「これが‥‥‥‥‥‥‥鳥」
そこに印刷された大空を羽ばたく鳥たちは
おれ達が投獄される際に奪われたものを持っていた。
「“自由”に空を飛びまわってるな‥‥‥‥‥‥」
彼らは生まれついての“自由”だった。朝から晩まで監視されることなく
“自由”に生活していることが、この図鑑には書かれていた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥決めたぜ」
バタンッ!
995号は図鑑を勢いよく閉じた。
「おれはいつか“自由”を手に入れる!!」
再び本を開くと、ペラペラとめくっていき、不意に止めた。
そのページには″セキレイ″についての生態が書かれていた。
「ハト!これから、おれの名前は″セキレイ″だ!改めてよろしくな!!」
995号は彼女に手を差し出した。
ハトは差し出された手を大きな両手で優しく包んだ。
「よろしくね、セキレイお兄ちゃん♪」
二人は図書室で笑った。
これは″995号″が″セキレイ″と名乗り始めたときの話である。
**********
「あれからどのくらいたったかな‥‥‥‥‥」
セキレイは自由時間が終わったことにより
再び牢屋に入れられた。残りの全員も同じである。
「あいつ‥‥‥‥‥‥元気にしてっかな」
セキレイは彼女の顔を思い浮かべた。
「旦那、あんたここを逃げ出すんだって?やめといた方がいいぜ」
ヒゲ中年はセキレイに警告した。
「ここの警備はいくら俺たちが人間じゃないからって逃げられないように
対″鎧虫″専用の兵器が大量に設置されてんだからよ」
ヒゲ中年はここに入れられてからの友達だ。
そして、そのことはセキレイ自身も知っていた。
「博士はおれの性格がよく分かってる。おれはあんまり外の世界には興味がなかった。
あの時あいつに会ってなかったら、今もここを出る気すらなかっただろう」
セキレイはゆっくりと立ち上がった。
「だが、博士はミスを犯した。それはここに外の世界についての本を置いていたことだ。
おれは一度したいと思ったら、必ずしたがる奴だってことを博士は
完全には理解してなかったみたいだな」
ザ
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