第Σ章 地球編 ??《ジアンユ》
第01話 投獄のセキレイ
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これを作った食堂のおばちゃんに謝れッ!!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥はぁ!?」
札付きのワル男は995号の口から放たれた言葉に耳を疑った。
「おい、てめぇ。何でお前に喧嘩売ったのにおばちゃんに謝らなくちゃいけねぇんだ!!」
札付きのワル男はそれを余裕と受け取りキレた。
メキッ!
「うぐッ!?」
955号の右腕が獣のようになり、鉤爪が胸ぐらを力強く握っていた。
メキメキメキメキッ!
「謝れッ!!」
995号の目はもう人間の目ではなくなっていた。
彼の瞳は、獲物を殺す捕食者の目になっていた。
その胸元には銀の金属板が輝いていた。
「兄貴ッ!そいつ″新人類計画″の被検者っスよ!!」
いかにも手下風の男が995号を指さしたまま札付きのワル男に叫んだ。
札付きのワル男もそれに気づき、急に態度を変えた
「わ、わかった!謝ればいいんだろ!?謝れば!!」
995号はそれを聞いて、腕の力を緩めた。
札付きのワル男はそのまま床に倒れこんだ。
「ゲホゲホッ。クソッ、覚えてろよッ!!」
札付きのワル男は自分の食事のトレイを持って、足早に去って行った。
遠くで札付きのワル男は食堂のおばちゃんに軽く礼をしていた。
995号はそれを見て、音をたてながら椅子に座った。
「おれはああいうもったいねぇことをする奴が大ッ嫌いなんだ」
995号はすっかり機嫌を損ねていた。
彼は再び食事を口に入れ始めた。
ヒゲ中年は笑いながら言った。
「見ててスッキリしたぜ、旦那。えっと″995号″だったか?」
「おれは番号で名前を呼ばれるのは嫌いだ」
セキレイの言葉に中年男は肩をすくめた。
「そう言われても、これが俺たちの名前だからなぁ。あ、ちなみに俺は″725号″だ」
ヒゲ中年は自分の服の胸元にあるバッチを見せた。
確かに、そこには″725号″と刻まれた金属板があった。
「実験動物みたいで、おれは嫌いだ」
995号は口にサラダを押し込みながら言った。
「まぁまぁ、機嫌直せって旦那。ほら、リンゴジュースやるから」
中年ヒゲはコップを差し出した。
「お、ありがとな」
そう言って一気にリンゴジュースを飲み込むと
食事のトレイを持って入り口に向かい、995号は食堂を後にした。
**********
「ふぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ‥‥‥‥‥暇だな」
995号は図書室のソファーの上で横になって目をつぶっていた。
「お兄ちゃんは何をしてるの?」
「‥‥‥‥‥‥ん、うおッ!?」
995号が目を開けると、そこにはしゃがみこんだ巨大な女の子がいた。
背が高いとかそういうレ
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