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鎧虫戦記-バグレイダース-
第Σ章 地球編 ??《ジアンユ》
第01話 投獄のセキレイ
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!!!!」

静かだった牢屋の中に看守の声が響き渡った。
995号は耳をほじりながら牢屋を出た。

「そんなデカい声で騒ぐなよ‥‥‥‥‥耳がイテェ」

こんな言葉を看守に言ったなら、一発入れられるところだが
彼らはスルーした。それどころか友達のような言い方で995号に言った。

「毎度の事だろうが995号。我慢しろ」

そして、出てきた100人余り全員に手錠を付けた。

「全員、移動開始ッ!!」

全員はゆっくりと食堂へ向かった。


ここはとある国の地下深くにある牢獄‥‥‥‥‥‥‥ではなく
捨て子や身寄りのない人たちを収容している施設である。
ここの構造は地下10階建てで、全フロアに平均1000人の投獄者がいる。

ここは″??《ジアンユ》″。意味は“牢獄”。
表向きは福祉団体として世界に名を広めている。
しかし、裏では収容した子供や大人に生体実験をしている鬼畜集団である。

紹介が遅れたが俺の名は995号。この名に満足はしていなかったが
それ以上でもそれ以下でもなかった。だが、ある日おれは名を手に入れる。
今回はその日について話そう。

 
 数年前―――――――‥‥‥‥‥

 ムシャムシャ ガツガツ

「あーっ、やっぱうめぇなぁ」

995号は食堂のメシにがっつきながら言った。

 ガツッ!

「おい、てめぇ。新入りがゴチャゴチャ騒いでんじゃねぇぞ!?」

隣のいかにも札付きのワル的な男が995号の胸ぐらを掴んだ。
その時に995号はパンを床に落としてしまった。

「あぁ!おれのパンがぁ!!」

995号は掴まれた胸ぐらを外して、パンを拾おうとした。

 グシャッ! グリグリッ

札付きのワル男は995号の落としたパンを踏みつけ
グリグリと足を捻った。パンはホコリまみれのグチャグチャになった。

「あぁん、どうした、拾わないのか?」

男は笑いながらホコリまみれのつぶれたパンを指で摘み上げた。

「ほらよ」

札付きのワル男は笑いながらホコリ+つぶれパンを955号に投げ渡した。

 ポスッ  ポトッ

グチャパンは995号に当たって再び床に落ちた。

「オイオイオイ、ちゃんと受け取れよ。ハハハハハハハハハハハ」

札付きのワル男は大声で笑い始めた。
彼の胸元には″802号″と削られた銅の金属板が輝いていた。
銅の金属板はここの中でもごく一部のある程度の権限のある者にのみ
与えられる特別なものである。
彼は文字通りの札付きのワル男なのだ。

995号は顔をうつむいたまま押し殺した声でつぶやいた。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥謝れ」

995号は札付きのワル男の胸ぐらを掴み返して激怒した。


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