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鎧虫戦記-バグレイダース-
第Σ章 地球編 ??《ジアンユ》
第01話 投獄のセキレイ
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 ー中国 森の中ー
「雨さんって襲われた後もみんなが逃げた村にちょくちょく行ってるらしいね」

マリーは笑顔で歩きながら誰にというわけでもなく言った。

「もうみんなはホークアイの言う通り″鎧人″と分かってるみたいだし
 そこの村のみんなとも仲良くしてるらしいしな」

アスラはマリーのつぶやきに、木を曲げながら応答した。

「村の子供の世話ってのも、半分本当だったんだな」

ホークアイもその会話に加わった。

「豪さんもいつかその村に行くみたいだけど大丈夫かな?」

マリーは少し前に離れた迅に訊いた。

「あぁ、きっとあの2人なら大丈夫だよ」

迅は軽く振り返りながら笑顔で言った。

 バシッ!

「あイタッ」

迅の後頭部に木の枝が当たった。
それを見た全員は腹を抱えて笑った。
迅は後頭部を押さえたまま少し顔を赤くした。

「あ、豪さんといえば、小さい頃の記憶が抜けてるって聞いてびっくりしたね」

マリーはアスラに尋ねた。

「そうだな。しかも豪さんが″人為的に作られた鎧人″だったなんてな‥‥‥‥‥」

アスラはため息をついた。迅は木を腕でのかせながら言った。

「オレが落とした″種″は1個だけなのにおかしいと思っていたんだ」

 バキッ!

迅は前にある木を折った。

「″種″を人為的に作れる奴がいたとは‥‥‥‥‥‥‥ウチみたいだな」

森の道なき道を進むために、リオさんは木を折りながら言った。

「だが、不完全だった」

ホークアイは木を曲げて通れるようにしたままつぶやいた。

「欠け欠けの記憶から思い出した位置に行っても何もなかったらしいしな。
 一体作った奴はどこで何をしてるんだか‥‥‥‥‥‥‥」

全員は木の間から見える空を見上げた。
空はその悩みを打ち消してしまいそうなほど青く澄んでいた。



    **********



「ふぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ‥‥‥‥‥‥‥んん‥‥‥‥‥」

男は大きなあくびをした。

「やたらデケェあくびだな、旦那」

隣の部屋、いや部屋というより牢屋に近いのだが。
ヒゲの中年は男に声をかけた。

「名前がないってのはこういう時に大変だよな」

男は頭をかきながらヒゲ中年に言った。

「俺達には名前はないが、“番号名”があるだろ?」
「その“番号名”が嫌いだから困ってんだよ」

ヒゲ中年は小さく唸り声を上げた。
彼は隣の駄々をこねる子供への対応に悩まされていた。

「‥‥‥‥‥‥‥まぁ、そう言いなさんなよ。995号さん」

ヒゲ中年は仕方なくそれで会話を区切った。



「全員整れーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつッ
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