暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
ギルスと紅い鳥と恐竜グリード
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言った。

「ねぇ、アンク」

「・・・なんだ」

俺は後ろを見ずに行った。

「なんで、あなたは泣いてるの?」

馬鹿な、そんな筈はない。俺は自分の頬を撫でる。頬は――――――――――濡れていた。

俺は後ろを見ずに、一気に下降した。



 エギルの店


俺は店のドアを開け、中に入る。すると巨漢の男がにやりと笑いながら、顔を上げる。

「・・・よぉ、早かったな」

「相変わらず不景気な店だな。よく二年潰れずに残ってたもんだ」

「うるせぇ、これでも夜は繁盛してるんだ」

あのころに戻ったような感覚でやり取りを交わす。俺は目覚めてから知り合いの連絡先と本名のリストを、総務省の役人からもらった。

もう一度会いたい人達はたくさんいたが、彼らも現実世界との折り合いをつけるのに苦労しているだろうから接触は控えている。

いや、エギル以外に連絡を取ろうとした人物がいる。それがユキだ。

アスナが帰って来ていないので、相談しようとしたのだ。結局、会うことはできなかったが・・・。

「で、あれはどういうことなんだ」

俺の問いかけに店主はすぐに答えず、カウンターの下から長方形のパッケージを取り出すと俺の方へと滑らせた。指で受け止める。

手のひらサイズのパッケージは明らかにゲームソフト。プラットフォームを見ると、右上に印刷された
アミュスフィアなるロゴに気付いた。

「聞いたことのないハードだな」

「アミュスフィア。俺たちが向こうにいる間に発売された。ナーヴギアの後継機だ」

そこからいろいろなことを聞いた。俺はパッケージを見る。タイトルは、ALfheim Online。

「アルフ・・・ヘルム・オンライン?意味は?」

「アルヴヘルムと発音するらしい。妖精の国だとさ」

まったり系のMMOkか?と聞くと、エギルは否定した。

「いや、すごいハードらしい」

「どんなふうにだ」

「ドスキル制。PK推奨、重視」

さらに説明が続き、一通り説明を受けた後、ようやく本題になった。

エギルが二枚の写真を取出し、目の前に置く。

「どう思う?」

「似ている・・・とても」

「やっぱ、そう思うか。ゲーム内のだから解像度が足りないんだ」

「そして・・・この一枚」

ユキが背負われている写真。

「ああ、お前と一緒に戦ってくれた子だよな。さらに、今その鬼とバッタ男は噂になっているらしい」

「・・・そうか」

(この二体は仮面ライダーと言う者だったら・・・)

「なぁ、アスナのように、帰って来てない人達っているのか?」

店主はよくわからないと答えた。が、

「一人だけいる。それには、ひとつ聞いてほしいこと
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