暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
ギルスと紅い鳥と恐竜グリード
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須郷?コイツの本当の名前か。本名でもない神とは、とんだお笑い(ぐさ)だ。

「やれやれ、気が強いねぇ」

「でもねぇ・・・なんだか最近は」

女が顔をそむけようとしたが、須郷はおとがいに手をかけ、無理やり正面に向ける。

「そういう君を力ずくで奪うのも楽しいかなあと、そんな気もするんだよねぇ」

須郷は女の唇を指でなぞると、そのまま首筋を撫で下ろす。そして指は女の胸のリボンをほどこうとゆっくりと引き始め――――――――――――。

「やめろ」

俺は思わず声を漏らした。アイツならこうするだろう。いや、俺の欲望を満たしたアイツ等なら、こうする。

「さっさと俺を紹介しろ」

そうだねと、会釈して須郷が女を俺の方に向かせる。

「コイツはアンク。僕が呼び出した怪人さ」

気持ち悪い。本当に気持ち悪い。

「おい、お前。コイツと少ししゃべらせろ」

「二人でな」

下で待ってろと言うと、須郷は、いいだろうと言って下に降りて行った。

「おい、女ぁ・・・。お前の名前はなんだ」

女は終始無言でいたが、ようやく口を開いた。

「・・・ありがとう」

「なんで、礼をする?」

「あなたは・・・ここにいる人達とは違うと思ったから・・・」

「へぇ・・・わかってるじゃないか」

「私はアスナ」

「はっ・・・いい名じゃないか」

何故言ったか?単純に、そう思ったからだ。

「ねぇ、あなたは何者なの?須郷は怪人だって言っていたけれど」

「こういう事だ」

俺は人間体から怪人体へと変身する。そして羽を展開してみせる。

アスナは俺の全身を見る。

「・・・おい。なんで驚かない」

「いや・・・きれいだなって思って」

綺麗?俺がか?俺は自分の姿が嫌いだ。夢で見ていたころと、全く違うからだ。

綺麗ではない。むしろ醜いとも思っている。明日奈は言葉をつづけた。

「赤色がすごい綺麗ね、アンク」

女の感性はわからない。今まで見てきた人間は、みんな驚いてきた。驚かなかったのは、比奈や映二達ぐらいだろう。

「そうだ、あなたのニックネームをつけてもいい?」

「ニックネーム?ンだそりゃ」

「親しみを込めて呼ぶ名前のことよ」

「ンなもん、勝手につけろ」

明日奈が深く考え始める。数分にもわたって考え、アスナは笑顔で言った。

「じゃあ、鳥さんで」

笑顔で告げられたそれに、息が詰まった。あの少女のことを思い出したからだ。

「よせ・・・」

「え、なんで?」

明日奈が顔を覗き込んでくる。

「・・・ごめんなさい」

「・・・わかったら、それでいい」

俺は格子の扉を開けようとすると、明日奈が後ろで
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