暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
ギルスと紅い鳥と恐竜グリード
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が、メールが来たのはこれが初めてだった。
タイトルはLook at thisとなっており、開くと本文はよほど急いでいたのか書かれていなかったが、写真が二枚添付されていた。
写真を見た瞬間、俺は腰を浮かせた。不思議な構図だった。特徴のある色合いはライティングは、写っているのが現実世界ではないことが分かる。
前景には、ぼやけた金の格子が一面に並び、その向こうに、白いテーブルと椅子。そこに腰かける女性は、
「アスナ・・・!?」
そしてもう一枚。そこには緑の怪人と、人を背中に乗せる紫色の鬼。怪人たちに少し驚いたが、一番驚いたのは、鬼が背中に乗せている人だった。
「ユキ・・・!」
ヒースクリフを共に斃したもの。
俺は卓上から携帯端末を掴みとり、急いでエギルへと電話を掛ける。
途方もなく長く感じる呼び出し音。接続音の後、エギルの声が聞こえた。
「もしも・・・」
「おい、あの写真はなんだ!!」
「・・・・あのなぁキリト、せめて名前くらい言え」
「そんな余裕はない!!早く教えろ!!」
「長い話になる。今から店に来れるか?」
「すぐ行く、今行く」
俺は着替えを抱え、シャワーを浴びて濡れ髪も気にせず家を出た。
世界樹
俺が研究所を回る途中、突然須郷が良いものを見せてあげよう、と言って上空へと上がる。
俺は翼を展開し、後を追った。さらに怪人体から人間体へと変化させる。
上空の木の枝には、趣味の悪い金色の格子があった。そしてゆっくりと須郷がパネルを操作し、扉を開けた。
「やぁ、ティターニア。元気かい?」
ティターニアと呼ばれた女は、無言のまま座っている。
周囲が美少女と呼ぶような、綺麗な顔だと思った。俺は女の欲望を見る。
グリードには、欲望がどんなものかわかる能力がある。俺はそれの強化版のような能力が使えるのだ。
欲望の気配と一緒にどんな欲望か分かる。女の欲望は愛する人と出会いたい。下手をしたら、王よりも、あの少女よりも大きい。
ヤミーを創ろうと思ったが暴走されても困るし、そもそもアバターに使えるかもわからなかったため、辞めた。
・・・・・アイツとも約束してるしな。
相変わらず気持ち悪い笑みを浮かべながら、須郷が女の顔を撫でた。
男の俺からも気持ち悪いと思った。吐き気がするレベルだ。それをやられてる女はそれ以上に気持ち悪いだろう。女が口を開いた。
「いつまでこんなことをするつもり?」
「あなたなら何でも思いのままでしょう。好きにしたらいいじゃない」
女の冷ややかな声。・・・いい女だ。もっと言ってやればいい。メズールを思い出したのは気のせいだろう。
「ねぇ、須郷さん」
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