2部分:第二章
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第二章
道を走り公園の緑を見る。暫くあの夢のことは忘れていた。しかしその公園の緑の森が目に入るとまた思い出してしまったのである。
「あの中で」
よくそうした話で聞くことを思い出したのである。
「ああしたことを」
するのだろうかと思ってしまったのである。
すると顔が真っ赤になってしまったのが自分でもわかった。慌ててそうした淫らな考えを頭の中から消し去ってしまおうとする。
走るのを速めて何とかそれを忘れようとする。しかしそれは果たせず結局走っている間ずっとそのことばかりを考えてしまった。家に帰ってシャワーを浴びても頭の中から離れず昼食を食べても午後の家事をしてもずっと同じであった。
「何なのかしら」
いい加減それが不思議に思えてきた。
「そもそも誰なのかしら、あれは」
夢の中のその顔の見えない男のことも考えた。
「あの人かしら」
まず考えたのは夫だった。
「浮気なんて」
そういうことは考えたこともない。彼女は潔癖症の気がありしかも実際のところ夜については淡白な方である。それは夫も同じである。
だからこそ余計に不思議だった。そうしたことは当然知っている。しかしあそこまで淫らな自分は想像もしたことがなかった。何故あんな夢を見たのか不思議だったのである。
どうしてなのかわからないまま時間だけが過ぎていく。そうして遂に行かなければならない時間がやって来たのであった。
「時間ね」
それで化粧をして髪を整えスーツも着る。香水もかけて身なりを完全に整えた。そのうえで家を出て待ち合わせのその駅にまで向かった。
駅に着いて暫くすると夫が来た。スーツにコート姿である。
「待ったかな」
「いえ、全然」
儀礼的にこう答えた彼女だった。
「今来たところよ」
「そう、それならよかったよ」
それを聞いてまず微笑んだ保正だった。
「それじゃあ今から」
「ええ。そのレストランね」
「予約はしてないけれど」
このことも言ってきたのだった。
「大丈夫だよね」
「いけると思うわ」
確証はないがこう答えた真理子だった。
「そんなの混むお店じゃないみたいだし」
「そう。だったら」
「行きましょう」
こう夫に勧めた。
「今からね」
「うん、それじゃあね」
こうしてレストランに向かった。レストランは込んでおらず二人は楽しい夕食の時を過ごすことができた。ワインも楽しみ酒にも酔った。そうして店を出るとであった。
「おや」
「どうしたの?」
「いや、時間だけれどな」
自分の腕時計を見ながら妻に述べてきた夫だった。
「まだそんな時間じゃないな」
「早いの」
「八時だ、まだ」
それ位だというのである。
「時間はまだまだあるな」
「そうなの。それでも」
ここでふと。その
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