修行編 その二
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正面に囮となって、俺達傭兵は裏から忍び寄り奇襲する事になった。
銅鑼を鳴らして、賊達を引き付ける。
数はそれほど多くはない。
情報では600人程度らしい。
こちらは正規軍と合わせると2000人。
圧倒的にこちらが有利だ。
だが、討伐は基本的に俺達が行う事になっている。
自分達の兵の消費と傭兵である俺達に極力金を渡したくないからだろう。
死亡率を高める事で、俺達を一人でも削るつもりなのだろう。
作戦は上手く運び、俺達は砦に侵入して背後から奇襲をかける。
次々と傭兵たちが賊達に向かって剣を振るう中、俺はその遥か後方にいた。
まだ覚悟が決まらないのだ。
ここにきて人を殺すという事にびびっている。
師匠の姿は見えなかったが、俺より前線で戦っているだろう。
他の人の活躍もあるのか、後方にはほとんど賊が居ない。
だが。
「お、おおおおおおおおおおお!!!!」
物陰からその雄叫びと共に俺に剣を振り下ろしてきた。
日頃の修行の賜物なのか、後ろに下がる事で回避する。
完璧な不意打ちを避けられたことに驚いているのか、すぐにこちらに向き直り剣を構える。
「ッ!?」
俺も咄嗟に刀を抜くがそこで留まる。
俺はこの人を殺すのか?
この期に及んでまだびびっている俺に賊の方から斬りかかってきた。
しかし、師匠との修行で目が慣れたのか振り下ろされる速度はとても遅く感じた。
完全にワンテンポずれたがそれでも俺はその振り下ろされる剣より早く振り、剣を弾く。
剣を弾かれるとその賊は腰の抜かして、地面に座り込む。
「やめてくれ・・・命だけは・・・」
俺に殺されると思ったのだろう、涙を流しながら命乞いをしてくる。
「俺には家族が・・・家族が待っているんだ!!」
嘘を言っているのだと思った。
自分が死にたくないから俺に嘘を言って見逃してもらおうと考えているのだと思った。
「俺は農民で飢えで娘も妻も苦しんでいるんだ!!
でも、役人が無茶な徴収をして食べていく事ができないんだ!!
だから、こうして賊になるしかなかったんだ!!」
ふと、俺は賊の手に視線をやる。
そこには農具を持って作業するにできるまめができていた。
どうやら、農民という所は本当らしい。
「あんた、何人殺した?」
「あっ・・・・」
「どれだけの村や人を襲った?」
「・・・・・・」
賊は何も言えなくなる。
つまりこういう事だ。
自分の家族が飢えで苦しんで、それが理由で他の村や街を襲う。
自分より下な弱者から奪っていく。
それなら奪われた人はどうすればいい?
最愛の人を家族をそのせいで死んでしまい失ったらどうすればいい?
俺は目の前で家族を失ったからその気持ちが痛いほどわかる。
「だっ
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