次なる案と危機たる報
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
何事かを叫ぶ声がする。
ガツガツと叩く音が耳に入る。
呻き声が微かに響く。
齧りついた様な怪音が聞こえる。
そしてそれらは……啜り泣きへと変わった。
「……使えない……何で使えないのっ……」
「愛香、お前いい加減諦めろよ。トゥアールから説明聞いたろ?」
喫茶店『アドレシェンツァ』の地下にあるツインテイルズ秘密基地、そのコンソールルーム。そこには総二、愛香、トゥアールが居り、愛香は今だテイルブルー姿のままで、諦めきれないのか半べそのままブレスレット部分をあーでもないこーでもないと、体中使っていじっている。
一体何が使えないのかというと……それは先の戦いで手に入れた、バッファローギルディの巨乳属性の属性玉の事で、しかも役に立たないのでは無く使用できないという事なのである。
トゥアールの考察によると、何でも属性玉には純度があり、それが低いと使用できないのだとか。エレメリアンも生物なので、長く生きれば他の属性に目移りもする。しかしそうなると人間とは違い属性力そのもので形作られている彼等の場合、後から備えた属性力が大きくなればなるほどに本体の核となる属性力の純度が低くなってしまうのだ。
「あのなぁ、お前仮に使えたとしても今までその属性の名称通りの効果だった事無いだろ? 髪紐属性は翼だし、人形属性は同じ人形属性に効果を及ぼすってのだし、兎耳属性は跳躍力だったじゃねぇか。大方巨乳属性だって腕とかが肥大化するか、弾力のあるバリアーとかが出てくるだけだと思うぜ?」
「それでもっ……アタシには最後の希望だったのよォォォッ!!!」
総二が言ったように今まで使ってきた物は全く違うとはいえずとも全て名目通りなそのままの効果では無く、使えたとしても戦闘に役立つ効果としてしか発揮されない事は明白だ。
それに、もし巨乳属性を何らかの形で人体にそのまま取り込めるとしても、ラースが言っていたように彼女には巨乳属性を使える器は無いので、どのように転ぼうとも何も変わりはしない。
結果如何なる策を用意した所で、テイルブルーへ……愛香へ待っているのは、凶悪な顔を隠すことなくひけらかして世間に醜態をさらし爪弾きにあうという、何時も通りなものしか待っていない。
……そういう面がなければ、実力に侵略者への対応など、テイルレッドよりも評価できる戦士なのだが。
愛香の悲痛な叫びを聞いた総二だが、彼自身は胸が無いたってツインテールがあれば良いじゃないかとしか考えておらずどうにもならないので、そっとしておく事に決めテーブルへと戻った。
「愛香の件で気が付いたけども、そう言えば今までとってきた
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ