−Six Samurai vs Ninja−
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ここ、舞網市は今、最大級の盛り上がりを見せていた。LEOデュエルスクールが開催した舞網チャンピオンシップ――プロデュエリストに近づくための、最も手っ取り早い道として。雪辱を晴らすため、自らの実力を上げるため、更なる強敵と戦うため……など、その理由はデュエリストごとに様々だが。
『ではこれよりぃ、第三試合を開始させていただきます!』
司会のニコ・スマイリーの声が会場に響き渡り、第三試合ということもあってスタジアムの観客たちの歓声も最大級だ。その歓声に何ら臆することはなく、二人のデュエリストがスタジアムの中央に入場した。プロデュエリストを目指す身として、歓声程度で萎縮していてはプロなど夢のまた夢である。
『なんとこの試合は、同じ塾のライバル同士の戦い! 戦士塾の城崎アイ選手と、同じく戦士塾の藤木ケンジ選手とのデュエルであります! さあ、この運命の悪戯を乗り越えるのはどちらか!』
同じ塾であるからか、二人の格好は和装という点では共通していた。城崎アイと呼ばれた男は日本の古い侍のような格好をしており、腰には――模造刀だろうが――日本刀を腰に差すまでしている。対し、藤木ケンジは全身を黒い服で固め顔を面で隠し、その表情は窺えない。
……要するに、侍のコスプレと忍者のコスプレをしていた。アイが侍、ケンジが忍者――彼らのデッキもその格好に相応しいデッキである。
『そして、二人の戦士が雌雄を決するに相応しいのは〜ここだぁ! アクションフィールド、セット――』
同じ塾だろうと、デュエル場に立てば宿敵同士。会話もなく、どちらもが十全の結果を出せるように気合いを込める。そして、ソリッドビジョン発生器がフィールドを覆い尽くさんと起動を開始し、ニコ・スマイリーが《アクションフィールド》をセットする。
『――《荒野の決闘ダウン》!』
舞網市のデュエル場がソリッドビジョンによってその姿を変化していき、似ても似つかぬ荒野へと姿を変えた。西部のガンマンがしのぎを削っているような――今にも一騎打ちの撃ち合いが始まるかのような――荒野に寂れた酒場が並び、乾いた風が二人のデュエリストを晒す。
しかし、西部劇の舞台のようなフィールドに、侍と忍者は少し浮いてはいたが。
『戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!』
アクションデュエル。ソリッドビジョンの発達に伴い、実体化したモンスターとともに戦う新たなデュエル。
『モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!』
実体化したフィールドを駆けるための新たな戦術。有効活用せねば勝機はないアクションカード。今までのデュエルとは何もかも違う新たなデュエルとして、アクションデュエルは人々を熱狂の渦に巻き込んだ。
『見よ! これぞ、デュエルの最強
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