8-2話
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っている小動物がそれを知らせてくれたからだ。
アキラ達に…CAを宥めるためにこの仔リスのような子を宛てがっただけではなく、ある行動方針を刷り込ませておいたのだ。
その行動方針は二つ。
1つは、仙石アキラ達と離れずに行動する事。
2つは、命の危険に晒された時などでもはや共にいる事が困難な場合は、仙石アキラ達から離れてアタシのところに戻ってくる事。
この二つの命令はさじ加減がある。
基本的にいつも一緒にいるけど危険があれば離れるようになっている、だけどその危険を回避すれば再び戻って共に行動するように優先度を設定しているはずだ。
だからアタシの元に戻ってきた、という事は危険すぎて一緒にいる事が困難になっているという事……その場合、大抵は生きてはいない。
だけど…彼なら……“アイツ”と同じ真っ直ぐな眼をしている仙石アキラなら、あるいは…と考える。
あるいは、である内は彼らがどうなっているか、赤神りおんにそれを教えてやる事は出来ない。
今は、まだ―――。
――――――。
日が傾き、木漏れ日が角度を深くした頃、足をゆっくり止めた。
アタシの足音が潜み、獣の気配と木々のざわめきがより良く聞こえるようになる。
置き去りにはしてない程度に距離が離れていた赤神りおんが、ようやく追い付いてきた。
「はぁ……はぁ……どう、したんですか? 急に…んぐっ…!?」
「頭、下げて」
抑えこむように赤神りおんの頭を押して低くさせた。
アタシも体を低く下げて、草が顔に突っつくほどに低姿勢になり、人差し指でチョイチョイと赤神りおんを誘導しながら、小走りに近くの木を影にする。
森が姿を隠れ蓑になってくれるだろうが、念のためだ。
ショルダーバッグを降ろし、中からアタシの頭をすっぽりと隠せる丸ツバのブーニーズハットを取り出す。
その柄は緑、黄緑、茶、黒の色を散りばめたウッドランドパターン、いわゆる迷彩だ。
ポニーテール部分は帽子の中に押し込んで目深に被った。
「……これでも被ってないと目立つのよ、アタシの頭」
「はぁ…?」
後天的とは言え、空色のこの髪は森では実に目に付きやすい。
何しろこの先にあるのは…。
「……―――!」
「人の声…!?」
「待ちなさい、頭を下げてゆっくりよ。 アタシの前には出ないように」
木の影から出て、ゆっくりと前に進んで行くと森のカーテンが薄れた。
林の間の向こうを覗くと、そこには鉄の塊があった。
「あれはっ…!」
「シッ…森の景色ばかりでよくわからなかっただろうけど、ここ
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