24:変わらない関係
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ユミルは俺を見ようとしないまま……少し前まで奏でられていたソプラノが嘘のような、憎悪に震える低い声を出し続ける。
「それで死神の疑惑が深まったって言うなら、べつにそれでもいい。容疑者であるボクを、疑えばいい……。……そうだよ、結局、ボクとキミ達の疑い疑われる関係はなにも変わっちゃいないんだ……変わりはしないんだっ……!」
握り締めるその手から、ギュッと力が込められた音がした。
「こんなことなら……キミの誘いに乗るんじゃなかった。あの料理を食べるんじゃなかった……。少しでも、心を開くんじゃなかった……!」
そう言い残してユミルはそのまま宿の方へ走り出し、林の中へ姿を消してしまった。
「ユミル……」
俺はユミルが消えていった林を眺めながら、その場に立ち尽くしていた。
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