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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
24:変わらない関係
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ゃん」

「はは、なるほど。お前もサインが欲しいのかと思ってたよ」

「バカ」

 ジト目をこの身に受けつつ、そんな下らないやり取りの中で苦笑しながら、俺は思う。

 ……また少し、彼は俺達への警戒を解いてくれた気がする、と。

 やはり昨日の事も大きいのだろう。久しぶりの温かい食事の後、人肌の温もりに寄り添っての一夜を過ごしたことは、彼にとって少なからず何らかの影響を与えていると思っていいはずだ。それが良い方向のものであると、俺は思いたい。
 ……ユミル自身は今、俺達と過ごしたあの夜のことを、どう思ってくれているのだろうか……。

「……なぁ、ユミル。昨夜は――」

 そこまで言いかけて、俺はふと言葉を途切れさせた。
 ユミルの読み流していた指先がピタリと止まっていた。それだけではない。
 今までさんざん変わらなかったジト顔は一変し……

 それは、小さな口から覗く歯が食いしばられ、憎しみを湛えたかのような表情だった。

 その感情を堪えているあまり、肩が小さく震えている。

 ユミルは…………静かに、激怒していた。

「お……おい、ユミル……?」

「……………」

 その両目は紙のただ一点を睨んでおり、やがて肩の震えが手に持つ羊皮紙に伝染する。
 俺が再び口を開けかけたその時……

 ――グシャ! とユミルは睨んでいた一点を指で握りつぶした。

「なっ……なにするんだ!」

「っ……」

 慌ててユミルの手から紙を奪い取る。俺の声に我に帰ったらしいユミルの手からは思いの外すぐに紙を取る事が出来た。

 羊皮紙は破れてこそはいなかったが、やはり一部に深いシワが出来てしまっていた。
 その部分は……各ユニコーンの討伐に成功したプレイヤーの一覧だった。

「一体どうしたんだ、ユミル……。今までに狩ったプレイヤーが妬ましいからって、なにもそんな――」


「――うるさいな……!! なにも知らないくせに……!!」


「ッ!?」

 唐突な、地から沸きあがるマグマのような唸り声に、俺は思わず一歩退いた。
 そこには今まででも最も激しく表情を憎悪に燃やす、ユミルの姿があった。もしも俺が敵だったならば、今すぐにも斬りかかって来そうな、そんな剣幕だった。

 ――だがその時……ふと、胸の中に一つの疑問が生まれた。
 俺は気を引き締め、ユミルと向き合う。

「……そういえば、聞いていなかったな。……お前がなぜ、ユニコーンを狙うのか。そんな顔をしてまで、なぜユニコーンを狙う」

「……――ッ!!」

 俺の言葉にユミルはさらに歯を食いしばり、握った手を振るわせた。

「………………大切なものを、守るため」

 震える声でポツリと言った。
 そ
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