-最終話〜武装サンタと聖誕祭〜
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事似合わないわね。」
声の主はタナだった。彼女は笑みを浮かべ、タズの隣に来て柵にもたれ掛かった。
「お前が任命したんだろうが…」
タナは懐から煙草を取り出し、タズがライターの火をそっと彼女に向ける。
「そうだったかしら…ありがとう。」
「煙草の臭いでまたティアナに怒られるぞ。」
「大丈夫よ。あの子今頃子供達と一緒にぐっすりしているはずだから。」
ティアナの元に大勢の子供達が集まり、みんなで遊んだ後、そのまま一緒に眠りに就いた。
「相変わらず子供に人気だな…子供達が起きたら目の前にはクリスマスプレゼントじゃなくてサンタガールか…笑えるな。」
タズはその光景を思い浮かべて笑い、タナも笑い始める。
「まぁあの子そういうところは鋭いから、問題ないわ…あなたもサンタなんだからそろそろプレゼントの準備。」
「お前もな…」
しばらく間を置いて、タナは夜空を見上げ、タズに話しかける。
「私そろそろ結婚を考えているのだけど…」
「…おう。」
タズはぼそっと返事をした。
「あなたも考えてくれた?」
逃げ場が見つからないタズは観念し、タナに答える。
「そうだな…」
「私は真剣なんだけどなぁ…何か不満?」
タナの言葉にタズは少し動揺する。
「いや、そうじゃないんだ。ただ…」
「ただ?」
「…俺はゲカのアウタレスだぞ?」
「私はヒカのアウタレスよ。」
タナは一歩も引かなかった。
「ヒカは分かるが、ゲカはリスクが高くないか?」
「ゲカアウタレスでも子供は産めるわ。それに私ヒカアウタレスだし、逆に中和するかも。」
「あのなぁ〜…」
タナがタズの言葉を遮る。
「一つ聞くけど、あなたがゲカアウタレスになった事って悲劇?」
「いや。唯なっただけだ。」
「つまりそういう事よ…私の母もヒカアウタレスになっただけ。父は関係なく母を愛し続けたわ。」
「そういうものか?」
「そんなもんよ。」
「…」
タズはしばらく沈黙し、彼なりの考えをタナに示す。
「分かった。時間をくれ。俺も避けてばかりじゃ駄目だ。ゲカと向き合わなければ…答えはその後でいいか?」
タズはタナと向き合い、タナはそっと微笑んだ。
「はい。」
ムスタ・プキン村に夜明けがやってきた。
〜半年後〜
ムスタ・プキン村多発的ゲカアウタレス襲撃事件終結から約半年後、村はすっかり元の調子を取り戻していた。以来ゲカアウタレスの出没件数も例年通りまで落ち着いていた。混乱の渦中にあったゲカプラント開発計画は会議で見直され、稼働中の試作ゲカプラントは小型だが発電量が十分な事もあり、このまま運用を継続する形で合意した。ゲカアウタレスが急増するといった事態もなくなったため、住民のゲカプラントに対する注目も薄れていった。そんな中、父の跡を継ぎ、アウターマテリアルの研
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