-最終話〜武装サンタと聖誕祭〜
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ずっと立ったまま一点を見つめていた。スフィルからゲカの反応が消失した事を確認したヒュオリ警部は、部下と共に彼の後ろに回り、彼の腕に手錠をかけた。討伐隊は歓声を上げ、タズ、タナ、ティアナは安堵の表情を浮かべた。アウタレスの脅威がなくなったという一報は村中に広がり、やがて緊急警報は解除された。村の人間は閉めていた店やイルミネーションを点け、聖誕祭がついに始まった。通りは聖誕祭を喜ぶ人で溢れ、お祭り騒ぎになっていた。その頃村の東では、討伐隊と軍が撤収作業に取り掛かっていた。ヴィハ少尉はヒュオリ警部と事後処理の手続きについて話し合っていた。少尉は死んだ目をしたスフェルを前に、ヒュオリ警部に言う。
「報告書と事情聴取は後でよいとして…こいつの処遇についてだが、護送はどうするつもりだ?村の中で犯した罪状も多いだろ。そちらの要求を聞かせてくれ。」
「あ、ちょっと待ってくれ。」
ヒュオリ警部は村の警察署と連絡を取り、ヴィハ少尉に伝える。
「そいつはあんたらに預ける。近いうち人をそちらに寄越す。」
「いいのか?」
「ああ。今夜は聖誕祭だ。せっかくの日に余計なお荷物は村に要らないな。些細なクリスマスプレゼントだ。」
ヴィハ少尉の顔が和む。
「そうか。とんだプレゼントだな…こいつを連れて行け。」
下を向いたまま無表情のスフェルは兵士に軍用車両へ乗せられた。
「では、ご協力感謝します。」
ヴィハ少尉は敬礼し、その場を去ると、ヒュオリ警部が彼を呼び止める。
「あ、ヴィハ少尉…メリークリスマス。」
「メリークリスマス。ヒュオリ警部。」
少尉は振り向き、警部に挨拶すると軽く敬礼し、二人は別れた。討伐隊と軍は急ぎ足で撤収作業を終え、帰っていった。皆も聖誕祭を祝いたかったからである。こうしてムスタ・プキン村多発的ゲカアウタレス襲撃事件は幕を閉じた。
村の外れではタズ、タナ、ティアナの三人がオオカミ型ヒカアウタレスの見送りに来ていた。ティアナはオオカミ型の前に出て、オオカミ型は顔をティアナの位置まで下ろした。
「ありがとう…またね。」
オオカミ型は目を瞑り、ティアナはオオカミ型の顔を優しく撫でた。オオカミ型は林の中に消えていき、ティアナはその後姿に手を振り続けた。彼女はタズとタナに振り返り、親指を上げ言った。
「よし、お祭りの時間だぜぇ!」
三人も聖誕祭で盛り上がる村に帰っていった。
夜明けが近付いても尚、村の中心の活気は衰えを知らない。武装サンタも多く参加し、祭りを盛り上げる。武装サンタは観光に携わる事が多く、タズもその一人だった。彼に与えられた仕事は誘導灯を持ち、駐車場を出入りする車両の誘導だった。戦闘の疲れは残っていたものの、彼はのんびりと仕事をこなす。タズは休憩に入り、建物の屋上で通りを眺めながら煙草を吸っていた。
「その仕
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