確かな物
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か、すまなかったな。そう言えば式、時間は大丈夫か?」
先生がそういうので時計を見ると夜の8時をまわっていた
「じゃ、そろそろ帰りますね」
俺はそう言ってベッドから立ち上がり帰る準備を始める
その最中不意に先生に話しかけられた
「そういえば式。君はこの頃何かいい事があったか?」
「?、特にありませんけど」
俺がそういうと先生は嬉しそうに笑いながらこちらに近寄ってきた
「君は本当に素直じゃない」
そう言って先生はポンと俺の頭に手を置いたあと気をつけて帰りたまえと言って部屋の奥の方に言ってしまった
先生との別れ方はいつもこうだ
決して見送るということはしない
だがいつも不思議と安心するのだ、またここに来れば会えると……
先生とはそう言った言葉では語れないような確かな物がある
ただの俺の思い込みや願望かもしれない
それでもここは心休まる暖かい場所だ
彼らとはこういう関係には絶対に慣れない
俺が信じえない物を彼らは持っているから、例え仮染の理想だったとしても彼らはそれを信じられるから
だから俺が同じ場所に踏み込むことは絶対に有り得ない
だってそれは俺が1度手にして、諦めてしまった物だから
俺は手にする資格さえ持ち合わせていない
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