確かな物
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のまま手渡されたカップを少しばかり口に含んだ
口の中には甘さが程よいミルクティーの味が広がった
中々美味しかったのでもう1度カップを口に運んだ
「「……」」
妙な間が空いてしまってなんだか気まづくなってしまった
俺は先生の方にちらと目をやるとなんだか気まずそうにそわそわしているのが見て取れた
この状態が続くのもあまり良くないと思ったのか先生が先に口を開いた
「その、あの……す、すまなかった」
先生はそう言うと頭を下げた
いきなりのことだったので俺は中々声が出なかった
プライドがそこそこ高い先生が頭を下げるなんて思わなかったからだ
「きょ、今日は久しぶりの模擬戦だったから。なんかこう舞い上がってしまってな……お前と会うのも久しぶりだったし。だ、だからだな……その、あまり私のことを嫌いにならないでくれ」
「ぷっ。はははっ」
俺は思わず笑ってしまった、なんせ先生が真剣に話し出すものだから何かとても大事な話でもするのかと思ったのに肝心の話の内容が嫌いにならないでくれとは可笑しさ半分驚き半分といったところだ
「わ、笑うんじゃない! 私にとっては重要なことだ!」
俺はあたふたしている先生を見るがこれはこれで可愛いなと思ってしまった
なんせ先生にこんな少女のような一面があるとは誰も思うまい
「別に嫌いになったりしませんよ。それに先生は命の恩人です、むしろ俺が嫌われないか心配ですよ」
「そ、そうか。それはよかった!実によかった!」
先生はホッと胸をなでおろしていた
「でも先生が頭を下げるなんてびっくりしました。先生、俺よりかなり年上みたいな感じだし」
「私は礼儀をわきまえているぞ。自分が悪いと思ったら頭を下げるのは当たり前だ。だが私はまだ全然若いぞ」
そう言う先生は少し誇らしげだがよくよく考えてみると先生の正確な年を俺は知らない
女性に年の話をするというのはタブーと言うがいい機会だ、この際聞いておこう
だが、俺が聞くより先に先生が話を振ってきた
「でもなぁ。私はどうも年長者だと思われがちで困る」
願ってもない年の話だった、俺は絶好のチャンスだと思い恐る恐る年を聞いてみることにした
「そういえば先生の年って俺知らないなぁ〜」
「そういえばそうだったな。私はまだ『17』だ」
「……はぁ?!」
先生はそれがどうしたと言った顔をしているが俺にとってはとんでもない事実だった
今までかなり年上だと思っていた女性が実は結構年が近かったなんて聞いたことがない
「そんなに驚くことか?」
「当たり前ですよ、というよりそう言う事は早めに言っておいてくださいよ。びっくりしたじゃないですか」
「そう
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