-第4話〜燃える聖誕祭〜
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ン・タズ・クローズ。タズでいい。」
「本当にゲカを体に宿しているのだな…私の無礼を許してほしい。」
「気にするな。人が襲われたんだ。で、先程の話だが、何か変わった事はなかったか?」
ヴィハ少尉は考え込む。
「変わった事か…我々があのオオカミ型と戦闘に入った時、別のヒカアウタレスが助けてくれたのだ。全長約20m前後。濃度18%の白いクマ型アウタレスだ。」
「ゲカ採掘場に何か特別な事は?」
「いや。我々も調べたが採掘されたゲカの質も採掘量も安全基準上特に問題はなかった。普通のゲカプラント開発直営のゲカ採掘場だ。」
「ゲカプラント開発直営なのか。」
「そうだ。資源調達から製品販売まで一括でやっているらしい。何か?」
タズは頭の中で何かが引っかかっていたが、それが何かは分からなかった。
「いや、なんでもない。少尉はこれからどうする?」
「とりあえずあのオオカミ型を尾行する。しばらく様子を見るつもりだ。敵対してくるなら問答無用で対抗する。」
「そうか。奴は一度ここを狙ってきたからな。また来るかもしれん。その時は少尉に連絡する。」
「感謝する。では我々もそうしよう。」
ヴィハ少尉はタズと別れ、ヒュオリ警部と防衛体制などについて語り合った。タズが仲間のところへ戻ると、ゲカプラントからスフェルが不安そうな顔つきで来ていた。
「怖かったです…助けていただきありがとうございます。」
タナはスフェルの肩をそっと叩く。
「無事で何よりね。」
「アウタレスはどうしたのですか?」
「去っていったわ。」
スフェルの顔が硬くなる。
「えぇ〜…もしまた襲ってきたらどうするんですか〜…」
「大丈夫よ。さ、みんな帰った帰った。」
村のアウタレス討伐隊や軍は解散し、ティアナはオオカミ型アウタレスが去っていった方角を見つめていた。
時は経ち今は聖誕祭前夜、村にいる人間は再び起こるかもしれないアウタレスの襲撃を警戒しながら恐る恐る聖誕祭の準備を進めていた。そんな中、村の北西、タズの住処の近くで普段より多いゲカアウタレスの群れが捕捉された。タズ、タナ、ティアナを含めた村のアウタレス討伐隊がそこへ向かい、アウタレスと対峙した。時同じくしてオオカミ型のアウタレスが再びゲカプラント東に現れ、村に警報が鳴り響く。
「何だと?」
タズはヴィハ少尉から通信を受けた。
「やむをえん。これよりオオカミ型を攻撃する。」
別の討伐隊と軍が東に集結し、オオカミ型と戦闘を始めた。しばらくしてそこへ巨大なクマ型ヒカアウタレスが姿を現した。白い巨体で大きな爪を持ったアウタレスは以前軍をオオカミ型から助けたものだった。クマ型も戦闘に参加しオオカミ型と対決した。
「これが例のクマ型か。」
クマ型を見上げながらヒュオリ警部は呟いた。その頃タズ達は未だ北西にいた。
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