-第3話〜子供達のヒーロー〜
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
そのまま丘を転げ落ちた。丘は緩やかな斜面になっており、雪の上を転がりながらもロッケウスはしっかりとペリを抱き締めていた。平坦な場所で二人は止まり、お互い擦り傷はあったものの二人は無事だった。
「大丈夫か?怪我してないか?」
「うん。大丈夫。」
「よかったぁ。」
ロッケウスは起き上がりペリに怪我がない事が分かると、そっと胸を撫で下ろした。するといきなり地面が揺れ、二人が立っている雪に切れ目が走った。ロッケウスは反射的にペリを突き放す。ぼんやりしていたペリは後ろにゆっくりと倒れながらロッケウスも倒れ掛かっている事に気付き、前に向けられた彼の両手に手を伸ばす。ペリの手がロッケウスの手に触れようとした瞬間、ロッケウスの足元から大きな顎が現れた。ぽかんとした表情の彼は何が起きているのかを理解する前に、その巨大な口は閉じた。ロッケウスはアウタレスに一呑みにされた。尻餅をついたペリはアウタレスと目が合い、状況を理解した彼女の顔は一気に強張った。
「うわぁあああああああ!」
ペリの叫び声が別の声に掻き消される。
「とぅおおおりぃやぁあああああああああああああああ!!!」
女の声だった。次の瞬間、アウタレスを中心に、辺り一帯が光の柱に包まれた。余りの眩しさにペリは目を瞑る。彼女が再び目を開けると、アウタレスは光の粒子となっていた。その光の粒子の中央に、右の拳を天に掲げ、左腕にロッケウスを抱えた女が立っていた。彼女が着ていたはずのポンチョはバラバラになりこれもまた光の粒子になっていた。サンタ風のジャケットやズボンを着用したクワトロテールの髪型の女はロッケウスと向き合う。
「最後までよくあの子を守ったね。君は偉いぞ。」
ロッケウスとペリは不思議な光景を前に、ただただ呆然としていた。女の放つ光の柱は雲を貫き、見ていた全員を照らす。
「子供を泣かせる奴は、私の拳が黙っちゃいない!
サン・ティアナ・ローズ、参上!今!ここに!!」
<i2661|28835>
-第3話〜子供達のヒーロー〜 〜完〜
最強のバカ
ヒカのアウタレス
真実の敵
次回-第4話〜燃える聖誕祭〜
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ