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Santa's Claws〜サンタズ・クローズ〜
-第3話〜子供達のヒーロー〜
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警部はタズの言葉に困惑していた。彼はタズの事を信頼していたが、さすがに今回は不信感を抱いていた。
「一体どうゆう意味だ…」
ヒュオリ警部は頭を切り替え部下と共に子供達の捜索に向かった。

自分達が危機的状況にいる事を知らないペリとロッケウスは、林の奥で迷子になっていた。
「どうするんだよー。やっぱ迷ったんじゃないかー…」
何度も似たような場所を歩き続け、ロッケウスは常に不安でいっぱいだった。そんな彼を余所に、ペリは比較的冷静だった。
「大丈夫。今探すから。」
そう言ってペリはコンパスと地図を取り出し、現在地を割り出す。勉強熱心な彼女は地図の読み方も慣れている様子だ。ロッケウスが彼女を待っていると、何かに見られた感覚に襲われ、彼は辺りを見渡す。
「どしたの?」
辺りをキョロキョロするロッケウスが気になりペリが声を掛けた。
「いや、誰かに見られた気がした。」
ロッケウスの不安は高まる一方だが、ペリは再び地図を覗いた。結局ロッケウスが感じた嫌な感覚の正体を彼は見つける事ができなかった。地面の雪が少し動いていたが、二人はそれに気付かなかった。ロッケウスが不意に横を見ると、先にある地面がめくれながら大きな怪物の顔がひょっこりと現れた。ヘビ型アウタレスだった。アウタレスと目が合いそうになった瞬間、ロッケウスはペリの手を引いて走り出す。
「逃げて!」
「え、何!?」
何事かと思ったペリは後ろを見、状況を理解した。
「きゃあああああ!!」
アウタレスは地面を這いながら、二人を追いかけ始めた。
「やっぱりゲカがここにあるんだ!」
この期に及んでペリはまだ自分が思い付いた予想を信じていた。一方でロッケウスの方は必死にペリの手を握り、木の間をジグザグに走っていた。そのおかげで二人はなんとかアウタレスの攻撃を避ける事ができた。しかしアウタレスは木々を避ける事を止め、力任せに木々を押し倒しながら二人を追いかけた。それを見た二人は恐怖を覚え、尚も走り続ける。ペリが躓きこけても、ロッケウスは直ぐ様彼女を引っ張り上げ、走り続けた。しばらくすると二人は周りが静かになった事に気が付き、足を止めた。後ろを振り返ると、アウタレスは消えていた。周りに何もない事が分かると、息が上がっていた二人は地面に座り込み、休んだ。息を整え、ロッケウスは真っ直ぐな眼差しでペリを見つめる。
「僕がペリちゃんを守るから。これからもずっと。約束するよ。」
小さくとも心強いその言葉を受け、ペリはそっと笑みをこぼす。
「うん。ありがとう。」
次第に緊張もほぐれ、ロッケウスとペリは互いに笑いあっていた。するとロッケウスは地面が動いている事に気付き、咄嗟にペリに突っ込んだ。次の瞬間二人が座っていた地面が割れ、アウタレスの顔が飛び出してきた。間一髪でアウタレスの奇襲を免れた二人は
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