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Santa's Claws〜サンタズ・クローズ〜
-第3話〜子供達のヒーロー〜
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。村長は判断を先送りにしたがな。住民にとってゲカを使用した燃料には悪い印象しかないようだ。」
半泣き状態のスフェルが必死に訴えかける。
「でも燃料に使用されるゲカは1%未満ですよ?燃料の大半は伝導体を含んだ結合剤なんです。ちゃんと管理すれば危険じゃないんです。こんなに優れた技術なのに止めるなんて勿体無いですよ!」
苦笑したヒュオリ警部がスフェルの肩を叩く。
「わかった、わかった。その事はみんな知っている。唯理由が分からなくてみんな不安になっているんだ…タズ、そっちはどうだ?」
「昨日は2体やった。今はなんとかなってはいるがこのペースだと手が足りなくなるかもしれん。」
タズに加えてタナも近況を報告する。
「村を訪れている賞金稼ぎや傭兵にも依頼しているけれど、危険も多いし難しいわね。」
悪い話ばかりを聞かされているヒュオリ警部は溜め息を漏らす。
「役員は軍の派遣も検討している。それに加えて近くのゲカ採掘現場をヒカアウタレスが襲撃したようだ。軍と別のヒカアウタレスがそいつを撃退したらしいが。」
「ああ。話だけならこちらも聞いている。」
そう話すタズにヒュオリ警部は忠告する。
「お前の話も上がっていたぞ。」
「俺がか?」
タズは驚いた様子だった。
「ああ。お前も一応はゲカアウタレスだからな…とにかくこの問題についてみんなピリピリしている…俺はこの後警察署でまた会議だ。何か掴んだら連絡をくれ。」
頷くタズとタナを後に、ヒュオリ警部は去っていった。スフェルも去り際、涙ながらに口を開く。
「どうかこの問題を早く解決させて下さい…」
タズとタナは再び二人きりになった。
「じゃあ何かあったら連絡してくれ。」
去ろうとするタズにタナが話し掛けた。
「この前ティアナから連絡があったわ。」
「ほう。そういえばそろそろ戻ってくる予定だったな。今どこに?」
タズは立ち止まりタナに振り返った。
「最後に連絡があったのは空港からよ。」
「空港?あいつ東から来るんじゃなかったのか?何故西の方にいるんだ?」
「…」
タナは目を背け黙り込んだ。
「まさか…また迷ったのか…」
「…後もう一つ。」
「ん?」
「そろそろ結婚を考えろだと。」
「そうか。」
「だからあんたも考えておいて。」
「…おう。」
ややぎこちない様子でタズはその場を後にした。

ムスタ・プキン村の中央付近には観光施設があり、その東に試作ゲカプラント、北に湖と林が広がっていた。その林の中に、二人の子供が忍び込んでいた。村では少人数で深い林に入る事は危険だと林への立ち入りを制限していたが、この二人はその網をかいくぐっていた。一人はペリ・ホペ。もう一人はペリの同級生、ロッケウス・ラプスィ。5歳の少年だ。
「ペリちゃん。早く帰ろうよ。」
ロッケウスは不安そ
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