-第1話〜武装サンタの住む村〜
[3/5]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がもう一つあるぞ。距離約200、濃度約10、ゲカだ。この安もんじゃあ、これ以上は分からん。とりあえずここらでいっちょ稼いでくか。」
スーリを先頭に、賞金稼ぎ三人はアウター反応がある場所へと向かった。
スーリは正面に何かを捉え、彼は足を止めた。人が横たわっている。近づいてみると、中年の男性が雪の上で苦しみもがいている。スーリは男にゆっくりと近づき、残りの二人は周囲を警戒した。
「おい。大丈夫か?…はっ!」
スーリは男の左半身がアウタレス化している事に気が付いた。男の半身は黒く蠢き、男に苦痛を与えながら全身を呑み込もうとしている。
「はや…くっ…にぃ…げろ…」
酷い光景を前に、スーリは一度自身を落ち着かせ、手にしたスピアロケットの刃でアウタレス化した半身の一部を切り離そうとした。が、武器を上に構えたその時、スーリの目の前に巨大な爪が飛んできた。スーリは爪を防ぐも、後ろに吹き飛ばされた。彼の目の前には完全体となった人型ゲカアウタレスが立っていた。不気味で全身が黒く、長い腕に大きな爪を持っていた。
「おい…俺の言葉が…」
アウタレスに意識があるか確認しようとスーリは声を掛けるが、アウタレスが彼に襲い掛かってきた。
タタタタタッ
ソードライフルを構えていたアルクースが銃を放ち、アウタレスは後ろへ距離を取った。スーリもすかさずアサルトライフルを撃ち、ロケットスピアのロケット弾を放った。
爆音と共に辺り一帯が雪煙で覆われた。賞金稼ぎ三人がじっと警戒する中、横から傷を負ったアウタレスがアルクース目掛けて襲い掛かった。気付いたアルクースは力を込め、着ていたマッスルスーツが伸縮し、アウタレスの振り下ろされた右腕をソードライフルで受け流し、そのまま斬撃を繰り出す。アウタレスは回った拍子にその斬撃を左腕で打ち止め、再び右腕をアルクース目掛けて振り下ろした。アルクースはソードライフルの引き金を引き、アウタレスの右腕を弾き、後退するアウタレスを撃ち続けた。ユクサンも銃撃したが、アウタレスは林の中に消え、少しの沈黙が流れた。
傷の癒えたアウタレスは雪煙を作りながら賞金稼ぎの周囲を縦横無尽に走り、三人を撹乱した。アウタレスは素早い動きですれ違いざまに一人一人を攻撃し、三人は防戦一方となった。嵐の様な攻撃でアルクースは体制を崩し、アウタレスは狙いを定めた。ところがそこへユクサンが突っ込み左肩をアウタレスにぶつけ、ユクサンは右肩に背負ったウェポンコンテナに手を伸ばした、その時。
チリン
ジングルベルが辺りに響いている。アウタレスは動きを止め、三人も動きを止めた。導かれるように、アウタレスはジングルベルの鳴る方角へと姿を消した。安全を確認したアルクースとスーリは地に座り一息ついた。ユクサンは武器をしまい、アウタレスの
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ