暁 〜小説投稿サイト〜
霹靂の錬金術師
NO,66
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立っていた。そばに駆け寄ると覆面の男から煙草の強い匂いがした。これはたぶんハボック少尉だ。

「ヒューズさんの件と関係があるんでしょう?」

アルフォンス君が確信めいた口調でマスタングさんに問いかける。

「……………来るか?」

「はい!」

私を置いてけぼりで話を進める二人。マスタングさん、私をここに連れてきたのは貴方ですよね。

「待ってください!私を忘れないで下さい」

マスタングさんが私に目を向ける。特に悪びれた風はない。

「あぁ、ソフィア。無論君は来るだろ?」

「! 分かりました!」

何だ、来ることが当然になっていたんだ。何か嬉しくなる。



私、マスタングさん、ホークアイさん、アルフォンス君、ハボック少尉。計五人が乗って手狭になってしまった車中でいろいろと説明を受ける。
マリア・ロスはヒューズさんを殺した犯人ではないこと。
マスタングさんが焼いたのはダミーの死体で、マリア・ロスは今頃大砂漠にいること。
バリーザチョッパーと言う死刑囚を使いヒューズさんを殺した真犯人をあぶりだしていること。隣を併走している鎧はバリーザチョッパーらしい。
そして今は引っかかった敵を追跡中ということ。
次にアルフォンス君から衝撃の情報が報告される。

「人造人間だった」

これには車中の全員が絶句してしまった。
アルフォンス君曰く、さっきの細身の男と樽男と兄弟が南部で会ったという者達が全員、人造人間だという。
そう言えば、先日マスタングさんと兄弟はそんな会話をしていた。その時はマスタングさんもおざなりに対応していたから、私も冗談だと思っていた。それに兄弟が探す、賢者の石は伝説級だ。それの前に人造人間のインパクトも薄れてしまっていたのだろう。
そのあとは私とアルフォンス君とホークアイさんの証言により人造人間の存在が裏付けされる。
人造人間。
細身の男は人から犬へ。犬から人へと一瞬で形態を変化させていた。それにランファンさんのクナイによる傷も一瞬で治っていた。その再生力のおかげで塔から落ちても死ななかったのだろう。
マスタングさんの言う通り、まさにデタラメ人間の万国ビックリショーだ。
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