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霹靂の錬金術師
RUSH VALLEY
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るガーフィールさん。私はウィンリィさんに助けを求めようと目を向けるがウィンリィさんは諦めて、と言う顔をした。そのうちガーフィールさんはそうだ!と手を打った。何だろう?

「ならウチに泊まりなさいよ〜」

「えっ?」

「た、だ、し条件。働いてもらうわよ?」

どうしよう。魅力的な提案ではあるのだが初対面の人、というのが警戒心を湧かせる。でも悪そうな人には見えない。けれどそれが悪い人の特徴とも言える。
本当にどうしよう。私あんまり査定を真面目にやらないせいで研究費をかなり削られているのだ。ブラッドレイ大総統は活躍、なんて言っていたが、それはその場にエドワード君が居たからだろう。きっと一人だったら査定があんなに早く済んだ筈がない。つまり削れる経費は削りたい。
そうだ、身分を明かそう。国家錬金術師と分かれば悪い人だったら手を引くだろう。
そう思い私はトランクを下に置きロングスカートのポケットから六芒星の銀時計を取り出す。

「あの、私こういう者です」

「あらま!貴女、国家資格持ってたの〜?人は見かけによらないわね〜」

「え?国家錬金術師の……」

おや?ウィンリィさんこれを見て一発で国家錬金術師と分かるなんて。六芒星の印から国家資格の何かである事は簡単にわかる。けれどこれが国家錬金術師の物とわかる人は案外少ない。さすがに中央の辺りは殆どの人が分かるのだが、出てしまうとぐんと減る。

「よくご存知でしたね」

「え?あ、あぁ!知り合いが国家錬金術師でして」

「そうなんですか。ちなみにお名前は?」

「エドワード・エルリックって言います」

「え!エドワード君のお知り合いの方ですか」

聞けばウィンリィさんはエルリック兄弟の幼馴染みだそうだ。そしてエドワード君の機械鎧は彼女の手によるものらしい。今はエドワード君にもっといい機械鎧を着けて上げるために修業中なんだとか。こんな可愛い子がいるなんてエドワード君もなかなか隅に置けませんね。
エドワード君の幼馴染みと分かったので失礼な警戒心はさっと消し去り、ガーフィールさんの所に泊まることに決めた。

「では、よろしくお願いします」

ガーフィールさんにお辞儀をする。
「いいのよん。ささ、中に入って。こんな重いトランク持っちゃって。大変だったでしょ?部屋に案内しちゃうからね。ウィンリィちゃん、少しお店お願いね」

ガーフィールさんは止める間もなく私のトランクを軽々と持って行ってしまった。慌てて跡を追う。
こうして私はガーフィールさんにお世話になることになった。


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