PROLOGUE
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ないはずだ。
エドワード君は観念したような顔で自分のトランクから数枚レポート用紙を出し、トランクを膝の上に置きその上に用紙を置いた。私もそれに倣った。
そこからはポツリポツリとたまに互いの意見を交わしながら、レポートを書いた。そして何とか駅に着くまでに書き終え、南方司令部に向かった。
事務所で手続きを受け、技術研究局に向かう。しかし南方司令部には二人とも初めて来たのですぐに迷いかけてしまう。仕方が無いのでエドワード君が道を聞こうと提案する。すぐに同意した。
「すんませーん。技術研究局ってどこ………」
エドワード君が廊下の曲がり角にちらりと袖が見える人に話しかけ、固まってしまった。
後ろを歩いていた私は何だろうと見てみるとアームストロング少佐がちょうどエドワード君に抱きつかんとしているところだった。
……人の骨ってあんな音がしながら折れるんだ。
でも何でアームストロング少佐が南方司令部なんかに?たしか中央勤務じゃなかったっけ。
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その謎はすぐに解けた。
「わっはっはっはっはっ!!元気そうで何より!」
この元気な声の持ち主はこの国のトップ、キング・ブラッドレイ大総統のものだ。
「はぁ…」
「どうもお気遣いありがとうございます」
思わず固い声になってしまった。はっきり言って私はこの人が苦手だ。
この陽気そうな左目に眼帯をしたダンディな人があのイシュヴァール殲滅戦を指揮していなければ私はもう少し好きになれただろうか。
「大総統の南部戦線視察に我輩が護衛を務めることになってな!」
「タイミング悪ぅ……」
胸を張って誇らしそうにするアームストロング少佐の横でエドワード君がゲンナリとしている。二人のあいだに何かあったのだろうか。
「査定に来ておったそうだが」
「うん、有効期間が過ぎてるから手続きに時間がかかるってさ」
「どれくらいかかるんですか?」
事務所の人が手続きが大変と言っていた。凄く時間がかかるとしたらちょっと困ってしまう。南方司令部なんかに縛られたくはなかった。
「査定か。どれ、書類を貸したまえ」
ブラッドレイ大総統が私とエドワード君から書類を受け取る。そして後ろの部下から大総統印を受け取り、合格!と言いながら印を押した。
「これにて査定終了!」
「よかったな、エドワード・エルリック、ソフィア・キャンベル」
書類を差し出すブラッドレイ大総統と何故か誇らしげなアームストロング少佐。
何と言うか適当です。
エドワード君なんかは地面に手をつき、全力で呆れている。私も心境としては近い。
「君達の各地での活躍を見る限り問題はない。これからも期待しているよ霹靂の錬金術師君、鋼の錬金術師君」
その後は少しだけ雑談したあと
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