第十一話***『マスター』とか……
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ーに任命する』
この言葉に、またギルドの皆が笑い声を上げた。
『オレはしばらく旅に出る。気が向いたら帰るつもりだ、それまで元気でな』
そして、ミラからカナに封筒が渡される。
その中にはギルダーツのイラスト付きのカードが入っていた。
『それとカナ……また勝手をしてスマネェ。
だが……会いたくなったらいつでもそのカードに願ってくれ。
それはオレの持つカードに伝わりすぐおまえの下に』
「いらねーよ」
カナはギルダーツの言葉を遮りカードを破る。
「今まで通りでいいって言っただろ、クソオヤジ」
その顔は、嬉しそうに赤く染まっていた。
『妖精の尻尾はオレの家だ。
必ず帰る。
その時までに妖精の尻尾がまたフィオーレ一のギルドになってる事を願う。
だが、それはオレの役目じゃねえ、おまえたちの役目だ。
マスター、それがアンタの最後の仕事だ。
妖精の尻尾を再びフィオーレ一のギルドに!!!』
それで、朗読は終わり、ギルダーツの思念体わ消えた。
「ぬううう〜」
マカロフが唸り、
「最後じゃと?バカタレがっ!!!!こうなったら、もう誰にもマスターの座は譲らんぞ!!!!」
叫び出す。
「死ぬまでやってやるわい!!!酒じゃっ!!!酒持ってこーい!!!」
「はいはい」
「あらら、スネちゃったよ」
「ま……一件落着だな」
「漢だーっ!!」
「相変わらず雑に使うな、そのセリフ」
「あはははははっ!!」
ギルドに笑い声が響いた。
「フィオーレ一、かぁ……ギルダーツさん、流石に、荷が重いですよ……」
クウヤが呟く。
それを耳に止めたエルザが
「そんな事はなかろう、上昇思考はよい事だ」
と声を掛けた。
「あ、エルザさん……」
クウヤがその方向を向く。
近くに居た残留メンバー達が言葉を繋げた。
「七年前ならな」
「けど、今は違う」
「剣咬の虎はもちろん」
「ラミアや天馬だって七年前とは比べものにならないくらい、強大なギルドになってるんです」
「でっかいギルドよ」
「それに比べてウチは主要メンバーが戻ったとはいえ」
「天狼組の力は実質七年前のまま」
「この七年の差は埋めようがねえよ」
「個人の魔力をとっても、ギルドの総合力をとっても、フィオーレ一なんてとても……」
残留メンバーの弱音を聞き、エルザが溜め息をつく。
「なるほど……昔のように戻るには時間がかかりそうだな」
それを聞き、ロメオが立ち上がった。
置いてある酒などには構わず、テーブルに足を乗せる。
「オレ達はもう七年も待
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