デスゲーム開始
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すればよい。
以前のテスターとは違い……誰か1人でも倒すことが出来ればその瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう』
し……ん、と約1万人のプレイヤーが沈黙した。
一瞬だが……場が本当に静まり返ったのだ。
この城の頂までたどり着くという言葉の真意を……皆が理解したのだろう。
この城とは……。
僕たちを最下層に飲み込み、さらに頭上に99もの層を重ね空に浮かび続ける巨大な浮遊城。
【アインクラッド】を指していたのだ。
「クリア……第100層だとぉ!?」
どこかで叫び声が聞こえる。
この声クラインじゃなかったか?
「で、できるわきゃねぇだろうが!!ベータじゃろくに上がれなかったんだろうが!!」
そりゃそうだ。
俺だって13層までしか行けなかったし。
『それでは、最後に諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。
諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ』
それを聞くと、自然の動作で、ほとんどのプレイヤーが右手の指二本揃えて真下に向けて振った。
当然だ。皆が茅場の説明に頭がいっぱいなのだ。
そして、誰かが開けば次に自分もと混乱してはいても、連鎖的に続いていった。
それにより、広場いっぱいに電子的な鈴の音のサウンドエフェクトが鳴り響く……。
そして出現したメインメニューから、アイテム欄のタブを叩くと、
……表示された所持品リストに1つだけアイテムがあった。
そのアイテムの名前は≪手鏡≫。
使用者のアバターを現実の姿に戻すアイテムだ。
「いざ出陣〜なんつって」
俺は手鏡を取り、覗き込んだ。
そして次の瞬間、突然周りのアバターを白い光が包んだ。
それは時間にして数秒だったが……混乱させるには十分すぎる時間だった。
そして光がやむと、現実の俺の姿のままになっていた。
『諸君は今、何故と思っているだろう。
何故、ソードアート・オンラインおよびナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?
私の目的はすでに達せられている。
この世界を創り出し、鑑賞するために私はソードアート・オンラインを作った…』
何に変えてでも作りたかったもの。
それを実現させ……そして その世界に自分自身のリアルを築きたかった…と、そんなところだろうな。
ただもう少し迷惑とか考えてほしかったな。
『……以上で<ソードアート・オンライン>正式サービスのチュートリアルを終了する。
プレイヤー諸君の健闘を祈る』
最後の一言で、残響を引き消えた。
その巨大なローブ姿が音もなく上昇し、フードの先端から空を埋めるシステムメッセージに溶け込むように同化していくように消えて行った。
肩・胸、そして両手と足
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