邂逅
怪異の襲撃
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の剣で黒魔道の術が退いた故、こちらは何とかなりそうだ。
俺は部下達を救助せねばならんが、そちらに何か異変が生じた場合は直ぐに連絡を頼む)
グインは後続の黒竜騎士団を覆い隠す濃霧に到達、スナフキンの剣を一閃させるが。
魔界の存在を斬る青白い剣が触れる寸前、白く濁った濃霧は跳び退く様に下がった。
トール達を救う為に豹頭王が突き進み、スナフキンの剣を揮い続けると漸く濃霧は消失。
黒竜騎士団は味方の剣、矢を受け多数の負傷者を出していた。
(陛下、私共が御運び致します!
馬より早く到着します故、《気》を抑えていただけませぬか!?)
(礼を言うぞ、ギール!
一刻も早く、ゼノンの所へ送ってくれ!!)
心話に従い極力《気》を鎮め、トパーズ色の瞳を閉じる豹頭の戦士。
逞しい肩に魔道師の掌が触れ、閉じた空間の術を起動する。
金犬騎士団の周囲を取り巻く濃霧の脇に、闇が渦巻いた。
黄金色に黒い斑点を鏤めた頭部が現れ、長身の偉丈夫が実体化する。
「スナフキンの剣よ、お前の力が必要だ!」
主の召喚に応え、一旦は腕の中に引っ込んだ魔剣が再び青白い光と化して噴出。
白濁する濃霧は切っ先が触れる寸前で退き、殺到する豹頭の戦士から逃れた。
ゼノン達も黒竜騎士団の様に同士討ちを演じ、大勢の負傷者が出ている。
「ギール、ディモス達は無事か!?」
(部下の応答がありません、心話が遮断されています!)
「今すぐ、俺を連れて飛べ!」
(心得ました!)
グインの獅子吼を受け、上級魔道師達が閉じた空間の術を起動。
数タール後方で濃霧に襲われ、混乱する別動隊の脇に馬より数倍速く到達。
ディモス、アドロン、ルナン、ワリス、ダルカン指揮の軍勢を魔術から救出するが。
指揮系統が乱れ負傷者多数の為、数時間に渡り前進停止を余儀無くされた。
グインの指示で各部隊は合流、魔道師軍団5班が周囲に結界を展開。
上級魔道師エルム指揮の班を別動隊の護衛から外し、ゴーラ軍の天幕に急行させる。
ナリスの側には黒曜宮、イシュタールから戻った下級魔道師2名も控えているが。
ベック公ファーン護衛中の遊撃班、6名を呼び戻す余裕は無い。
睡眠中の班を叩き起こし、見習い魔道師も含め全員が気と念を合わせ結界を展開。
ナリスは立て板に奔流の如く捲し立て、イシュトヴァーンに状況を説明する。
「ケイロニア軍が不自然な濃霧に視界を塞がれ、巨大な竜の首に見える怪物に襲われた。
世界最強の十二神将騎士団も痛手を被り、敵の手掛かりを全く把握できなかった。
スナフキンの剣が無ければ、ケイロニア軍は壊滅したかもしれない。
こちらに来る気配は感じられないが、暫く様子を見た方が良い。
今後も魔道の奇襲が繰
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