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豹頭王異伝
邂逅
聖王の候補者
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預かっていたかもしれぬ。
 負傷者には薬を与え治療を施し無償で食糧や衣服、己の家を提供し安眠出来る環境を整えた。
 エルファ周辺の住民が一致協力して、ダーナムの避難民を懸命に介抱する一部始終を。
 ワルスタット選帝侯ディモス、ケイロニア軍の別働隊を率いる指揮官が見ていた。

 太陽神ルアーの如き美貌を備える隣国の領主、ハゾスの親友は直ちに伝令を走らせた。
 ワルスタット侯の命を受け領民は備蓄の食糧、各種の支援物資を直ちに発送。
 グインの留守を預かる忠臣、ランゴバルト選帝侯ハゾスの許にも伝令は到着。
 ディモスの要請を受けた明敏な盟友、ハゾスも大帝の許可を得て行動に移る。

 フリルギア選帝侯ダイモスの協力を得て、北の都サイロンから食糧や医療品を発送。
 ケイロニア南西部フリルギア街道を経て、数多の救援物資は直接エルファに到着。
 エルファの市長は適切な援助に感謝し、ケイロニア軍の為に無償で便宜を図ると宣言。
 炊き出しに追われる住民も愁眉を開き、北の勇者達を歓迎する空気が醸成された。
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