第九話 大室中佐!格闘茶道!!その十五
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「上手くいったな、これが」
「まさか茶の中に山葵があるなんて誰も思わないからな」
「その相手の意表を衝く」
「それが戦いってやつよ」
今回の茶道も、というのだ。
「それが効いたな」
「そして俺達が勝ったな」
「どうだ、俺達のこの作戦」
「凄いだろ」
「私の負けだ」
大室は素直にこのことを認めた、二人に対しても。
「そのことを認めよう」
「よし、じゃあな」
「これからな」
相手にも勝利を認められた二人は頭に乗った、そうしてお互いに言い合った。
「やるか、いつものあれを」
「それで決めようぜ」
こう言ってだ、そしてだった。
二人は突如として岩場の上に位置した、いつもの様に周りは海で白波が起こり。旭日をバックにして波の中で腕を組んで言った。
「正義は勝つ!」
今回も決めた、だが。
彦根城前に戻った時にだった、その二人に。
近江牛が突進して来た、そしてその突進を受けて。
二人は吹き飛ばされた、その牛をけしかけた彦根のお爺さんが言う。
「何が正義じゃ!」
「そうだ、また汚いことしやがって!」
「何処まで汚い奴等なんだ!」
彦根市民達もお爺さんに続く。
「牛の突進受けて死ね!」
「いい加減にしろ!」
「いつもいつも卑劣な手段ばかり使いやがって!」
「たまには正々堂々と勝て!」
「このミスター反面教師!」
「卑怯者の模範生が!」
これが彦根市民の二人への返事だった、そして。
ネットの書き込みもだ、祭りとなった。
「死ね!」
この文字が全世界で百万は書かれた、弾幕そのものだった。
その他にも批判が殺到する、だが二人はそれでもめげず。
彦根市民と全世界にだ、高らかに宣言した。何時の間にか彦根城天守閣の屋根上に登って。
「勝てばいいんだよ勝てば!」
「勝った奴が正義なんだよ!」
「相手が日帝衆なのに手段なんか選んでられるか!」
「俺達は勝ったからいいだろ!」
「じゃあ近江牛のステーキな!」
「すき焼きも貰うぜ!」
こう言って姿を消す、そしてその後で。
変身を解いて二人で近江牛のそうした店に行ってステーキとすき焼きを楽しんだ。味噌漬けも買ってついでに壇蜜の写真集、DVDも買ってだった。二人は今回も勝利の余韻を楽しんだ。あらゆる煩悩を全開にして。
第九話 完
2014・9・3
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