暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
邂逅する者達
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いんだ。教えてくれる?」

「えっ!知らないで受けたんですか!?」

二人の少女は思わずといったように顔を見合わせた。とんだ命知らずもいたものだ。

どうする?というミナの視線に一拍置いてリラは返す。メンドくさいからお前がやれ、と。

数秒の躊躇いの後、気の弱いほうの少女はゆっくりと口を開いた。

「えっとね、このクエスト。まだクリア条件も含めた全容が判ってないの。クリアした人がいないから」

「それってありえるの?GGOってFPSの中じゃあ結構名の知れたタイトルじゃん」

やっとメンタルを最低ラインまで回復させることに成功したらしい少年が横槍を入れてくる。

「そりゃまあ総数じゃ負けるタイトルも他にあるかもしれないけど、プロがいるのってここぐらいだよね。そんな人達がクリア者ゼロのクエストを放っておくとは思えないけど」

「うん。だけどこのクエ、メチャクチャ難易度が高く設定されてる…………んだけど」

そこで言葉を切ってチラリと眼前の男女を交互に見るミナに対し、その後を引き取るようにリラが胡乱げな言葉を放つ。

「その、メチャクチャな難易度をバカみたいな実力行使で突破したのがどっかにいたわね」

返ってきた引き攣り笑いに鼻息で答えながら、二人組の強気なほうは思考する。

今現在の状況はかつてこのクエストに挑み、そしてあえなく散っていった幾多のプレイヤーの中でもっともゴールに近い。

だが、ゴールに近いということはイコールでゴールできるとは限らない。というか、そもそもそのゴール本体が見えてこないのだ。

目標だと思っていたものが、実は違っていた。

現状を一言で言い表すとしたら、もうそれしかないだろう。

このクエストはいまだにクリアされていない。それはつまり達成条件どころか、このミッションのカテゴリすらも不明ということだ。

お使い系や採取系……はさすがにないだろうから、やっぱり討伐系だろうか。

しかしだとしたら対象は?

アタマを倒しても、クエ達成時に鳴り響くファンファーレ的なものは欠片も聞こえてこない。おそらく、聞き逃したとかいう甘い幻想も抱けはしないだろう。

ではやはり、まだイベントは進行中ということに落ち着いてしまう。

辿り着くのは、最悪に近い予想。

虐殺系を超える、殲滅系クエストであるということ。

何匹殺せばクリアできる虐殺系と違って、殲滅系は珍しいクエストの種類である。例えば今のような、閉鎖された空間内において敵対するエネミーの完全排除が達成条件となっている。通常のように、枯渇からの湧出(ポップ)現象はないが、その代わりにうんざりするほどの数が配置されている。

かといって、そんな殲滅系クエストでも珍しいとはいえ難易度は文字通りピンからキ
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