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ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
響く鬼
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「僕と明日奈が結婚するという話だよ」
その言葉は、俺の体を芯から凍りつくした。何とか言葉を絞り出す。
「そんな事・・・できるわけが・・・」
法的な入籍はできないがね、と須郷は言った。
「養子に入る事になるだけさ。・・・実のところ、この娘は、昔から私を嫌っていてね」
須郷が明日奈の頬に自分の指を這わせる。
「親たちはそれを知らないが、結婚となると断れる可能性が高かったからねぇ。この状況は僕にとって非常に都合がいい。当分眠っていてほしいね」
須郷は這わせていた指をアスナの唇に近づける。
「やめろ!!」
思わずその手を掴み、アスナの顔からそれを引き離す。憤怒を込めて問いただす。
「あんた・・・アスナの昏睡状態を利用する気なのか」
「利用?いや、正当な権利だよ。あのデスゲームを開発した(アーガス)がどうなったか知ってるかい?」
「・・・解散したと聞いた」
「負債とかいろいろ抱えて会社は消滅。そしてサーバーの維持を委託されたのがレクトのフルダイブ技術研究部門さ。具体的に言えば、僕の部署だ」
勝ち誇った笑みになった須郷が、こちらを見る。
「つまり、明日奈の命は今やこの僕が維持してると言ってもいい。なら、僅かばかりの対価を要求したっていいじゃないか」
立ち尽くす俺に須郷は何か言ったが、その言葉は何も届いておらず、俺は逃げるように病室を出て家に帰った。
家のベットに寝込み、涙をこらえる。無力な自分が、みじめでたまらなかった。
「う、わぁ!!」
私は目の前にいるサラマンダーを相手していた。最近、このゲームで噂になっていることがあった。
その名もバッタ男。新種のモンスターとされていて、しゃべるとされているものだ。
事実、先日サラマンダーの部隊が挑みに行ったところ、たった一体のバッタ男に返り討ちに合ったそうだ。
その噂を聞いたとき、私は嘘だと思ったが気になったので、目撃されたココにレコンという奴と一緒に来たのだが・・・。
バッタ男を狙う集団だと思われる、サラマンダー部隊に遭遇して今に至る。
レコンはすでにリタイアし、残るは私だけだった。サラマンダー達の猛攻に、私のHPはみるみる減っていく。
その時――――――――――――――。
風が、吹いた。
「グワアアアアアアアアアウッ!!」
叫び声をあげて何かがサラマンダーの一人に飛びかかり、ズタズタに引き裂く。
凄まじい速さの何かは、腕にある刃でサラマンダー達を切り裂いていく。
その中で、一人のサラマンダーがこちらに向かって来る。咄嗟に戦おうとしたが、突然のことで対応ができなかった。
だが、サラマンダーが歩みを止めた。何か
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