空白期 第19話 「ユーリとお出かけ その1」
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がらでも話はできるんだから」
「それもそうですね。今日はたっぷりショウさんの知らないディアーチェ達を教えちゃいます!」
両手を握り締めながら力強く宣言するユーリに俺は内心で呆れた。今日この街に来た目的とそれは張り切る方向が違うのではないか、と。
とはいえ、感情がストレートな子なので街を回っていれば別のことを考えそうだと思った俺は、まずタオルを片付けに行った。そのあとユーリの格好に合うように上着を取りに行き、財布やケータイといった必要最低限のものだけ持って彼女の元へと戻る。
「お待たせ。それじゃあ行こう……どうかした?」
「あっ、いえ……今日は白い服なんだなぁと思いまして」
なるほど。確かに持ってる衣類は黒いし、ファラやセイバー関連で出向く際も黒を着ていくことが多かった。別の色を着ていたらユーリのような反応が出てもおかしくない。
「オシャレなほうだとは思ってないけど、黒以外もちゃんと持ってるよ。……もしかして変だったりする?」
「いえ、とっても似合ってますよ。カッコいいです」
「あ、うん……ありがとう」
自分で聞いといてなんだが……話し方をもうちょっと考えないとな。思ってることよりも一段階上の返しが来るみたいだし、嘘とかお世辞で言ってるように見えないから恥ずかしくなるし。
内心ではあれこれと考えてしまい顔が熱くなっていたが、悟られると面倒なことになるのでできるだけユーリと顔を合わせずに外に出た。玄関の鍵を閉めながら、その間に心を落ち着かせる。
――……よし、大分落ち着いてきた。さて、今日1日一緒に居るわけだからあまり真に受けないというか意識しないようにしないとな。そうしないとシュテルを相手にしたときよりも疲れるかもしれないし。
「……よし、行こうか」
「はい。……あのショウさん」
「ん、何か忘れ物でもした?」
「い、いえそういうのじゃないんですけど……手繋いでもらっていいですか?」
恥ずかしそうに俯きながら上目遣いで言ってくるユーリ。あれだけストレートに何でも言う性格なのに、自分のことになるとこうなるのはある意味不思議だ。
――にしても手か……レヴィみたいに勝手に動き回ったりしなさそうだから繋がなくても大丈夫そうではあるけど、ユーリからすればここは慣れない街だし不安なのかもな。それに……もしもユーリを迷子にでもしたら、あとで叔母やシュテル達に何を言われるか分かったもんじゃない。
「いいよ」
「ありがとうございます」
「別に礼を言われるようなことじゃないよ。俺は立場上ユーリを守らないといけないわけだし」
「ま、守るだなんて大げさですよ」
「それはまあそうかもしれないけど……気持ち的にね。せっかく遊びに来てくれたんだから怪我とかさせたくないし」
別に特別な感情を込
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