空白期 第19話 「ユーリとお出かけ その1」
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しい気もしたが、不思議がられているわけでもないので気にしないでおこう。
「別に珍しいものは飾ってなかったと思うけど?」
「え、あの……前に来たときに撮った写真も飾ってくれてるんだなって思って」
確かに両親やはやて、レーネさんとの写真以外にシュテル達を含めた全員で撮った写真も飾っている。
背中からレヴィに抱きつかれ、それを見たシュテルが悪ふざけで腕に抱きつき、ディアーチェが怒っている。ユーリは笑顔を浮かべ、レーネさんは普段どおりに見えるけど少しばかり笑っている。
シュテルとレヴィのせいで知り合いに見られると何か言われそうな写真ではあるが、大切な思い出を形にしたものだ。別にやましいことはないのだから堂々としていれば大丈夫だろう。
「まあせっかく撮ったわけだからね。それに……こうしておかないとシュテルあたりが何か言ってきそうだし」
「ふふ、確かにそうですね。シュテルはショウさんのことが大好きですから」
……この子は笑いながら何を言っているのだろう。確かに闇の書事件では心の支えになってくれたし、背中を押してくれたわけだが、事件が終わってからというもの日頃の言動は俺を困らせることばかりなわけで。
そもそも、あいつは俺よりも恋愛ってものに疎いんじゃないのか。いや、こう考えるのが間違いなのかもしれない。ユーリの年代の好きなんてものはLikeだろうし……でもこの子って恋愛とかに興味津々だったよな。いったいどういう意味で言っているんだ?
「大好きね……レヴィだったらそう言われてもあっさり信じられるけど」
「レヴィは言動が正直ですからね。シュテルはあまり本心を口にしないほうですし、ショウさんの前では特にそうですから」
「……あれは本心からふざけてるようにしか見えないんだけど」
「それは……ショウさんと一緒に居るのが楽しいからですよ」
ふざける→俺の反応が鈍い→文句を言う、なんてのが普段のやりとりだった気がする。あのやりとりが楽しく思うものなのだろうか。楽しそうな顔をしていた記憶はほぼない気がするのだが……
「楽しいか……あれに付き合うよりは君と話すほうが俺は楽しいんだけどな」
「え……」
「あ、いや変な意味とかはないから」
「そ、それは分かってます。大丈夫です……わたしもショウさんと話すのは楽しいですよ」
少しばかり頬を赤らめた状態で笑うユーリの姿は実に可愛らしく見える。
――この笑顔には最近癒されている感じがする。何というか、ユーリってシュテルとは対照的な存在だよな。シュテルを月とするならユーリは太陽って感じか。
まあ対照的でもある分野になると噛み合って凄まじい力を発揮するわけだけど。しかも、それが向けられる相手は俺やディアーチェっていう……今日はシュテルはいないんだから考えるのはやめ
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