第三十一話 相性その十三
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「だからね」
「じゃあまずは一個頂くな」
「皆もどう?」
裕香は薊だけでなく他の面々にも梅を勧めた。
「名産だけはあるわよ」
「そう、それじゃあ」
「一個ずつね」
「沢山あるからね」
一個ずつと言わずというのだ。
「だからね」
「ええ、じゃあね」
「今から」
こうしてだった、全員でだ。
梅を食べ飲む、その味はというと。薊は一個口の中に入れて食べてからそのうえで飲んでから笑顔で言った。
「いいな、確かに」
「そうでしょ」
「梅干で飲むってそれだけでもいいんだけれどな」
「和歌山の梅は違うでしょ」
「本当にな、絶品だな」
「そうでしょ、だからね」
「もっと食ってもいいよな」
薊は裕香に真剣な顔で問うた。
「そうしていいよな」
「ええ、一杯あるからね」
「梅干もあるし海の幸もあるし」
「デザートはね」
裕香はその話もした。
「蜜柑よ」
「やっぱりそれか」
「蜜柑そのものと蜜柑の和菓子だから」
「それも食ってか」
「楽しみましょう」
こう話してだった、裕香はまた日本酒を飲んだ。そのうえで梅を口にしてにこりとしてだった、一同にこう言った。
「和歌山の次は」
「電車でね」
「三重よね」
「ええ、新宮と熊野を通ってね」
そうしてというのだ、菖蒲が裕香にこれからのルートを話す。
「三重に行くわ」
「伊勢神宮行くけれど」
「裕香さん伊勢ははじめてかしら」
このことをだ、菖蒲は裕香に問うた。
「あちらは」
「うん、お伊勢さんに行くのはね」
「そうなのね」
「だから楽しみなのよ」
伊勢神宮に行くことがというのだ。
「どんな場所かしらね」
「我が国で最も歴史のある。そして大きな神社ですね」
桜がその裕香に伊勢神宮について話す。
「天照大神をお祀りしている」
「皇室の神社よね」
「まさにそうです」
「由緒正しい神社なのね」
「我が国の神社の中で最も格式のある神社です」
まさにというのだ。
「私もはじめてではないですが」
「それでもなのね」
「伊勢神宮にお参り出来ると思うと嬉しいです」
「じゃあ明後日の朝ここを発ってね」
菊が言って来た。
「それから電車に乗って」
「うん、次は伊勢ね」
向日葵も言って来た。
「伊勢神宮ね」
「伊勢も海水浴場があるけれど」
「三重じゃ泳がなくてな」
薊も言う。
「それでな」
「伊勢神宮ね」
裕香も言う。
「そこにお参りね」
「楽しもうな」
こう話してだ、そしてだった。
薊はまた飲んでだ、満面の笑顔で裕香に言った。
「伊勢でも」
「伊勢の名産は」
今度は伊勢のことを言う裕香だった。
「赤福に伊勢うどんね」
「そうだよな、伊勢うどんな」
「物凄く黒いおうどんだっ
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