生き方の否定
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さ、それが川崎さんとなんの関係があるの?」
「ならばここで話を戻す。
少年。君の姉は今日、遅刻しながらも学校へと来ていたぞ。
更に、『最近多いが…』とも言われていた。
これは詰まり、遅刻はしても欠席は少ないと言うことに他ならない。
少年、君は不良がわざわざ遅刻してまでも授業を受けに来ると思うのか?」
「え……あ…」
「そこでまた進路の話が出てくる。
そこに俺と変わらない生活態度をスパイスにして見ると…」
「っ!?…川崎も何かのバイトをしている…?」
「またまた正解だ比企谷。
そしてその理由は恐らく学費を稼ぐため」
「で、でも!高校のお金は家の親が払ってる筈だし…」
「言ったろ?高校2年は進路を決めていく時期だと。
金が必要になる進路なんて進学以外にあり得ない。
ましてや優しかった人間が、今さら弟妹を置いて海外留学するはずもないからな」
まぁ、これで留学します何てことになるのなら人格疑うのだが。
「姉ちゃん……」
「勘違いすんなよ?
行程がどうであれ、結果を見ればお前たち兄弟のためなんだからな」
「そうだな。
大学とかに行くのであれば更に金がかかる。
これ以上親に甘えたくないって考えるのが妥当なとこだろ」
嘗ての婆さんがそうだったように。
人の優しさに触れて初めて気づくときだってあるんだ。
俺よりも遅かろうが川崎沙紀さんはそれに気づいた。
その優しさを弟たちに向けるようにと自ら導きだした選択なのだ。
「…でも…やっぱり心配で」
「……なら川崎さんを元に戻した方が良いわね」
「金持ちの意見は今回ばかり参考に出来ん。
庶民の意見に耳を貸さない辺り、それが浮き出ている」
「…っ!なら、貴方がどうにか出来ると?」
「へっ!余裕だね。
ついでに今のはさっきの仕返しだ」
「……なら貴方に任せるわ。
それで駄目なら笑い者にしてあげる」
……上等だ。
他人の選択を粉々にするような方法なんぞ取らせるか。
「……しまった。話しかけられない」
問題発生。エマージェンシーエマージェンシー!
コミュ症スキルが発動しました。
対象である川崎沙紀さんに話しかけることが出来ません。
「…何してんの?」
「うわっ!?」
何てことだ。
普段なら気付く距離に気づけないなんて…。
だが好都合。そちらから話しかけたのなら俺にも対応できるのだよ!
「あ、えっと…これから少し、話が出来ないか?」
「…少しならね」
イエス!掴みはOK。
後は聞くだけ聞く!
「バイトしてるって聞いたんだけど、本当か?」
「だったら何?揺すりでもかけるの
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