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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十四話 決着、二つの王道
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ばならないものです。だからそれをこそ、僕は理想として、あなたに刃を向けます」

 クレインさまがサーベルを抜いたのを合図に、みんなが自分の武器を構えた。

「貴様ははき違えている。民が幸福になる権利? そんなものありはしない! 民が悩むなど当然。民に安穏と暮らす権利などない! 民は王の力となって潰える些細な犠牲よ」

 また、言った。この王様、またギセイをササイって言った。
 耐えるんだ、わたし。ここの主役はわたしじゃない。クレインさまとおっきい王様。口出しも手出しもダメ。

「ダメだな――王という立場にいる上で最もすべき『仕事』ができていない。クレインに対して思う所がある私でさえ、これならクレインに頭を挿げ替えるべきだと思うほどだ」

 パパ……うん、そうかも、だね。

 おっきい王様が立ち上がって、大槍を掲げた。すると、どこからともなくマナの奔流が噴き出して、大槍を、王様を覆った。マナで大槍が強化されてる。

「……私はあなたを、同じ道を歩む友だと思っていましたが、どうやらもう引き返す道はないのですね」

 ローエンがサーベルを抜いた。

「要するに、ラ・シュガルの民の『幸福を創る仕事』にかけては、このクレインが国一番ということだ」

 パパが双剣を抜き払う。

「マクスウェルの巫子たる俺には、俗世の統治者など知ったことではない。が、この男のほうが貴様より百倍マシだということは分かるぞ!」

 イバルが二刀流の構えを取る。

「妹さんが死んで、ローエンもいなくなって、今日までずっと寂しかったと思います。シアワセを奪った人たちを憎んだと思います。わたし、分かります。でも、だからこそ選べる自分もあるんです。それを知らないままでいてほしくないです!」

 エリーがティポと一緒にロッドを振りかざす。

 ――みんなの闘志は本物。みんながみんな、ここに来るまでにおっきい王様と戦うだけの理由を見出した。

 じゃあ、わたしは?

 裾を引きながら静かに前に出て、おっきい王様をまっすぐ見上げた。

()()()()()()()人と精霊の守り手です。人間にも、精霊にも、佳い未来を築いてくれる方ならば、その方に味方します。この世に来て、自分の目と耳と足で、見て、聞いて、感じて。わたしはこちら側に立っています」

 王様が集めたマナ。散漫な扱い方で空気中に投げ出されたマナをこっちに手招く。うん。エネルギーはじゅーぶん。


「ナハティガル・I・ファン。玉座に座るには、()()()()()()()()()()()


 始めよう。夜明け前の誰も知らない攻防を。
 朝が来る前に
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