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青い春を生きる君たちへ
第8話 面倒くさいのね
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ため息をついた。


「隣のこいつの事を言ってんのか?ただ2人で居るだけじゃねえかよ。それが何で、彼女って事になるんだよ?」
「え?違うのか?文化祭って普通、彼女と一緒に回るもんじゃね?」
「あのなあ……素行不良の俺が知らんだけで、確かにそれが普通なのかもしれんが、2人で居るだけで彼女認定って短絡的すぎだろ。その理屈で言ったら、エレベーターでたまたま乗り合わせただけでもカップルじゃねぇか」
「ま、それはそうだけどなぁ……」


保坂は気まずそうに口をモゴモゴさせる。保坂は別に悪気があった訳ではなさそうなので、ちょっと当たりが強すぎたかもしれないと、小倉は反省した。それをごまかすように、おどけながら小倉は続けた。


「だいたい、俺とこいつじゃ、釣り合いとれてないだろうが。こいつは見た目だけは良いけど、俺はそれに比べてブ男だろ?顔見りゃ分かるだろ?そんな関係じゃないっt……」
「あなたの見た目は十人並み以上よ。妙に卑屈になるのはやめなさい」


不意に口を開いた高田に、小倉は冷水をぶっかけられた気分だった。こいつ、真顔で何ツッコんでやがる、ふざけながら言ってる言葉を何マジに否定してんだ……小倉が心の中でブツブツ言う間に、高田は保坂から大学芋の入った紙コップをいくつか受け取って、サッと踵を返した。ツカツカと早めの歩調で去っていくその背中を、トレーを持った小倉が慌てて追いかける。保坂はキョトンとしながら、2人の背中を見送っていた。



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「よし、これで全部だな」
「そうね。戻りましょうか」

田中の持っている前売り券を全て交換した時には、既に文化祭も終わりに近づいていた。小倉はトレーに一杯になった料理を抱え、田中が居る自分のクラスの模擬店へと戻ろうとした。が、自分の持ったトレーの中で一つ、不自然に量が減ったものを見つけた。


「なぁ、高田」
「何?」
「お前、ちょっと大学芋食っただろ?」


高田はピクリとして動きを止め、小倉の方を振り向いた。表情はいつもの真顔だったが、口先だけが拗ねたように尖っているのが、何ともおかしく、小倉は呆れたように鼻を鳴らした。


「好きなのか?」
「……甘いもの、普段そんなに食べないから」
「3つもあるし、1つくらい良いだろ。御使い料だと思って貰っとけ」
「……」

高田は無言で、不自然に量が減っているコップの一つを手に取った。


「立ち食いは行儀が悪いぞ。とりあえずあそこに座ろうぜ。」


高田が頷くのを確認する事もなく、小倉は空いていたベンチに腰を掛けた。ずっと歩きっぱなしで、ちょっと休憩したかったのもある。その隣に、口をモグモグさせながら、高
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